藤沢 人物風土記
公開日:2021.10.29
映画『リテイク』に取り組む映画監督でNPO法人湘南市民メディアネットワークの代表
中野 晃太さん
善行在住 34歳
見失った情熱取り戻せ
○…元教え子を主役に、仲間とともに手探りで映画を作り上げていく姿を描く。タイトルは『リテイク』。大学以来10年ぶりにとる自作映画のメガホン。「彼女たちの青春時代を撮ることで自分の青春をリテイク、取り戻すというのは恥ずかしい言い方ですが」と伏し目がちに笑う。
○…多種多様な星の船員が力を合わせ宇宙を冒険するドラマに心を躍らせた幼少期。見様見真似で段ボールの宇宙船を作り、親のカメラで夢中になって撮影した。「言葉にならない思いが、映像でなら伝えられる」と実感したのは、日大藤沢高校の報道部で撮った初監督作品が東京ビデオフェスティバルで優秀賞を取った時。大学で映像を本格的に学び、志を同じくする仲間と出会い、制作に打ち込む日々。夢へ一直線のはずだった。
○…「実際、映像で生きていくには厳しい社会」と疲れたように笑う。仲間たちもバラバラに。念願の制作会社に入ったが人間関係や安月給に苦しむ者、映像から「足を洗う」宣言をした者。進路にもがく仲間と自身の姿を映像に収め”卒業制作”とした。決して幼い頃見た「ワクワクする」映像ではない。気付けば創作への情熱を見失ってしまっていた。
○…それでも、映像は好きだった。NPO法人に就職し、県内高校などで映像制作の講師を務める中で「映像を撮る意味」について自問自答し続けた。転機は今回の「熱を持った生徒」との出会い。コロナ禍で撮影授業が縮小となる中「それでも撮りたい」と訴える生徒の姿に、昔の自分と仲間たちが重なった。「お金にはならないと理性が訴えている。理由は分からないけど撮らないといけない気がして。上手く言えないんですけど」と苦笑する瞳の奥に、決意の炎が見えた。
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