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藤沢 人物風土記

公開日:2023.09.15

第3回藤沢宿・全日本素人落語フェスティバルの実行委員長を務める
山田 研一さん
善行坂在住 74歳

  • 山田 研一さん (写真1)

落語愛は全てに勝る

 ○…不屈の精神に満ちたイベントだ。準備に準備を重ね、初開催にこぎ着けた2021年は新型コロナ禍が重なり、翌年は台風が直撃。だが、想定外の事態も何のその。逆境に負けず、全国からは20人近い腕自慢が集まった。支えるのは、腕試しの場を求める出演者と、裏方である自身らの落語愛だ。「皆パワーがすごいんですよ」。そう言ってにやりと笑った。

 ○…落語との出会いは15年ほど前。地元の酒席で教室を主宰する噺家と知り合った。元々落語好きというわけでもなかったが、「酒の勢いで」。そこにいた4、5人を巻き込んで手ほどきを申し込んだ。元々好奇心旺盛で新しいことに力を注ぐのは惜しまないタイプ。同じ古典でも話し手が変われば全く異なる世界観が顔をのぞかせる奥深さに魅せられた。現在では「笑風亭酒楽」の高座名で年数回の発表会のほか、馴染みの飲み屋や高齢者施設の慰問などでも芸を披露する。狙い通りウケが取れた瞬間。それが何にも代えがたい。

 ○…現役時代は広告代理店に勤務。イベントの企画や事業のプロモーションなど、かつて培ったノウハウが今に生きる。落語フェスの開催は初めての経験だったが、初回から全国津々浦々から出演希望が相次いだ。出演者が稽古を重ねた自慢の一席で、会場に笑い声が満ちる。「やってよかった」。現役時代の達成感が心に重なった。

 ○…生まれも育ちも藤沢。イベントには東海道五十三次の中でも重要な拠点だった藤沢宿をアピールする狙いもある。「藤沢が大好きですから」。そう語る表情に地元愛がにじむ。フェスは3回目で軌道に乗りつつある。落語ブームのなか、真剣に芸に励むアマチュアが全国にいる。そんな精鋭が腕を競える場を育んでいくつもりだ。

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