戻る

藤沢 ピックアップ(PR)

公開日:2026.01.01

藤沢市の地域医療を考える
藤沢三師会 座談会
医師×歯科医師×薬剤師 災害時のために平常時から

転ばぬ先の「かかりつけ医」を―

 藤沢市民の健康を支える、藤沢市医師会・藤沢市歯科医師会・藤沢市薬剤師会。その「三師会」の会長に、現状の取り組みと今後の展望などについて話を聞いた。(聞き手/本紙藤沢支社長・有賀友彦)

――地域に必要な医療を提供するための、現状の取組を教えてください。

石原 藤沢市内には病院・診療所が400施設以上と多いため、病診連携が地域の中で完結できる利点があります。自宅での療養生活を支える在宅医療支援センターとも共同し、市民が市内で医療サービスを受けられるよう病院間で情報共有を図り、地域のつながりも深めています。昨年は医師会の中に委員会組織を立ち上げ連携を強化するとともに、休日・夜間当番や輪番制の充実にも努めています。また、大地震などの災害を想定し、昨年11月に医師会で災害救護訓練を実施しました。歯科医師会・薬剤師会・行政などと連携し、救護病院や医師会救護チームと有事に備えた行動を確認し合ったところです。災害時は避難所に医師が出向く形ではなく、医療機能を維持している地域救護病院で素早くトリアージ(傷病者の治療優先度判断)する仕組みで、救命率向上を使命に取り組んでいます。

村上 薬剤師会としては、大規模な災害が発生した際でも、市民が安心して薬を受け取れる体制を整えています。昨年から薬局に災害時安否確認システム「エストエイド」を導入しました。開局状況を確認できるほか、薬の在庫が視覚的に共有できます。行政や三師会で協議し、災害時に最低限必要な医薬品リストを定め、備蓄を強化し、緊急時の医薬品供給ルートを確保しています。また「おくすり相談薬局」事業では、誤った医薬品の使用による健康被害をなくすため、処方せん調剤はもちろん、一般用医薬品や健康食品を含め、薬剤師による相談体制を整え、市民の健康をサポートしています。

永村 歯科医師会では、災害時の医療提供体制を含め、急速に進む高齢化社会に対し、医科や薬局、介護福祉などの職種との連携を強化し、在宅医療の支援充実に取り組んでいます。口から食事ができなくなると身体の衰弱にもつながりますし、糖尿病は口腔環境との因果関係が指摘されているなど、医療関連機関との連携は不可欠だと考えています。また、市民が安心して暮らせるよう、救急医療体制や休日の受診環境も整え、市口腔保健センター(鵠沼石上)にて歯科医師と歯科衛生士が常駐して対応しています。

――地域医療連携で、かかりつけ医の機能強化が重視されています。今後の展望、各会が担うべき役割を教えてください。

石原 日本医師会の方針でもありますが、かかりつけ医は、整形外科、耳鼻科、内科などの診療科でそれぞれ持っておくことが望ましいです。歯科や薬局も含め、専門性をいかし市民の健康を支えることが重要。また、休日・夜間の緊急時への対応も必要な役割で、急病診療所を南部(片瀬)と北部(大庭)で展開し、患者数の制限を設けず医師の数を増やすなどして受け入れています。医師の働き方改革の側面もありますが、断ることなく対応することが最優先だと考えています。

村上 医薬品を適正使用いただくために不可欠なのが、市民の皆様に「かかりつけ薬剤師・薬局」を選んで活用していただくことです。かかりつけ薬剤師は、患者様が飲んでいる全ての薬(処方薬、市販薬、サプリメント)を一元的に管理し、体調の変化がないかを継続的にチェックします。次回受診までの間に現れる「ちょっとした体調の変化」や「なんとなく感じる不調」にこそ、薬の副作用が潜んでいることがあります。かかりつけ薬剤師は、患者様との対話を通じこれらを早期発見し、医師や歯科医師に薬の変更や減薬を提案するなど、深刻な健康被害を防ぎます。

永村 口腔内の健康管理から専門医療への橋渡し、在宅療養支援に至るまで、多面的な役割が求められている中で、医師や薬剤師との連携強化は重要です。各会とのカンファレンスを充実させ「チーム藤沢医療」の専門性をいかし、市民の健康を包括的に支えていきます。例えば、服薬で口腔内が腫れるなど気になる点や飲み合わせが悪いと判断した場合は、医師や薬剤師と連絡を取り合います。お薬手帳やマイナ保険証も有効です。

――「人生100年時代」で健康寿命への関心が高まっています。健康寿命を延ばすために必要だと思うことは。

石原 健康リスクを減らすには、やはり健康診断を定期的に行うことがカギになります。病気になってからではなく、病気を引き起こさないための予防や早期発見が重要で、まさにフレイルの問題とも直結します。市と医療関係機関で運営している藤沢市保健医療財団では、生活習慣病プログラムの推進など健康支援に取り組んでいますが、藤沢市は「健康寿命日本一」を掲げている都市だからこそ、健診項目の拡充も必要で、行政にも働きかけているところです。当然、食や口腔環境、薬の適正利用なども健康寿命に関わってきますので、三師会で意識を高め、市民を支えていきたいと思います。

永村 健康維持やフレイル予防には、栄養・運動・社会参加の3点が大切とされていますが、特に栄養は口から食べて摂取するので、食べられなくなると衰弱してしまいます。口腔環境は全身の健康とも関わりがあるからこそ、いつまでも食べられる状態を維持することが重要。全国的な取り組みとして、80歳になっても20本以上自分の歯を保つことをめざす「8020運動」がありますが、当院の患者さんは6〜7割が達成できています。実際に、むし歯や歯周病など痛みや症状が出てから受診する人は減ってきており、定期健診が大切だという意識の向上は実感しています。これは本当に望ましく、むし歯の有無や歯肉の状態、歯石の除去などを定期的に行っていれば、たとえむし歯になったとしても簡単な治療で済みます。もし長く放置して症状が進行してしまうと、神経を取ったり、歯を抜いたりする治療が必要となり、受診頻度や費用負担の増加にもつながり、肝心な歯も弱まってしまいます。藤沢市の「成人歯科健康診査」は20〜80歳まで、基本5年おきに実施していますので忘れずにぜひご利用ください。

村上 ただ長生きをするのではなく、介護を必要としない健康的な生活ができる健康寿命をいかに延ばすかが、最大の関心事です。健康寿命を延ばす要素は多岐に渡りますが、薬剤師会として最も重要と考えるのは、医薬品の適正使用です。健康寿命を短くする要因の一つがポリファーマシー(多剤服用)です。高齢化が進むと、複数の病院・診療科を受診し、気付かないうちに多くの薬を服用することになりがちです。多剤服用は、薬物同士の相互作用や副作用のリスクを高め、転倒や認知機能の低下を招き、薬剤性フレイル(虚弱)の原因となり、結果的に健康寿命を縮めてしまいます。

――最後に市民にメッセージを。

石原 がんや感染症なども含め病気に関する知識、災害時や緊急時における医療との接し方、救急車の適正利用など、ぜひ学びや理解を深めていただきたい。それが結果的に、自身やご家族の健康、市民の安全安心にもつながってきます。また、三師会や行政などからの信用できる正しい情報を得て、医者任せにしすぎず、健康管理に努めていただきたいです。

永村 3月12日(木)に、三師会による市民公開講座を藤沢商工会館ミナパークで開催する予定ですので、ぜひ足を運んでいただきたいです。また、子どもはむし歯になるのが早いので、子育て世代のご家庭には子どもの定期検診もお勧めしています。藤沢市では中学3年まで医療費無料です。

村上 薬局は単に処方箋を受け付ける場所ではありません。風邪薬の選び方、サプリメントとの飲み合わせなど、病気になる前から相談できる「おくすり相談薬局」をご利用ください。今年3月の三師会による市民講演会では、健康を守る具体的な情報をお届けします。

藤沢市医師会 藤沢市歯科医師会 藤沢市薬剤師会

TEL:0466-22-3401
TEL:0466-26-3310
TEL:0466-22-8664

https://fujisawa-med.com/ https://www.fda8020.jp/ https://fujiyaku.org/

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

藤沢 ピックアップ(PR)の新着記事

藤沢 ピックアップ(PR)の記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS