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藤沢 文化

公開日:2026.02.20

鵠沼伏見稲荷神社 14歳のコウタ
“にゃん”とも穏やか看板猫
本職は癒やし、愛らしい茶トラ

  • 田村宮司が筆を走らせる社務所でくつろぐコウタ

    田村宮司が筆を走らせる社務所でくつろぐコウタ

 あさって2月22日(日)は、2(にゃん)のゾロ目が並ぶ「猫の日」だ。猫好きの記者は「湘南のお稲荷さん」の愛称で親しまれている鵠沼伏見稲荷神社へと足を運んだ。朱色の大ぶりな鳥居をくぐった先にいるのは神の使いか、はたまたさすらいのコンシェルジュか。静寂に包まれた境内で、どこか哲学的な空気を帯びた一匹の看板猫が目を光らせていた。

 1929年に小田急江ノ島線が開通したことを契機に、鵠沼海岸駅前の開発が進んだ。近隣住民の要望もあり、43年に稲荷神社の総本宮である京都・伏見稲荷大社の御分霊を勧請する形で創建されたのが、鵠沼伏見稲荷神社の興りだ。

 そんな由緒正しき神社の境内に、茶トラのコウタ(オス、14歳)がたたずむ。田村進宮司(72)の長女が勤務する会社の敷地にいた生後2カ月ほどの子猫を連れて帰り、家族の一員になった。

 「はじめはやんちゃで、暴れ回っていた。動物をくわえて戻ってきたことも」と田村宮司。しかし月日は流れ、すっかり穏やかに。今も境内外をぷらぷらとパトロールしているが寒さには弱いようで、社務所の中で参拝客を出迎えている。

 田村宮司について回って、夜は一緒に床に就く。「友だちみたいな存在だね」と目尻を下げる。

 うっとりと眠りに落ちかけながら耳をそばだてるコウタ。顔を近づけると、つぶらな黄色い瞳でじっと見つめてくる。頭をなでても怒らない。記者はグーにした手を口元に差し出す。ぺろり。ざらざらとした舌の感触。「お前も頑張れよ」と励まされているようだ。

 「にゃんにゃんだ」。社務所の窓越しに、1歳ほどの男の子がコウタを観察していた。兄が乗る幼稚園のバスを待っているらしい。そのうち年配の女性もやって来た。猫を介し、世代を超えた温かな交流がここにはある。

 木の葉の間から漏れるまだらな陽光を仰ぎ見るコウタ。何を思っているのだろうか。自由気ままに、潮風をいっぱい吸って。その姿はせわしない日常を生きる人々が忘れてかけていた心の余裕を思い出させてくれる。

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