藤沢 経済
公開日:2026.07.17
「観光客は多いのに泊まらない」藤沢の弱点に、SFC生起業家が『フグ』で挑む理由
ポン酢と薬味でおいしいご馳走「フグ」。毒が懸念されるため、外国人からすると食すのは珍しく、日本でのフグ食はスリリングな体験として受け止められている。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)に通う市田拓馬さん(4年)は、そのフグや海を藤沢市の観光資源とし、市内の宿泊客数増加を促そうと日々奮闘している。
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今月、仲間とともにWebシステム開発やDX・AI導入を支援する会社、(株)Orivan AIを立ち上げた市田さん。一方、大学では人間にしかできない領域の観光業やエンタメ事業の研究に取り組んでいる。
その中で注目したのが、藤沢市の宿泊客数だった。観光客数は昨年過去最多を更新したが、宿泊客1人あたりの観光消費単価は神奈川県の平均3万1235円を下回る1万9171円だった。市内の宿泊施設は過去5年で1・4倍ほど増加しているが、依然として宿泊客数が伸び悩んでいる状況にある。
こうした課題を解決すべく市田さんが思いついたのは、海を利用して観光客が藤沢に泊まらざるを得なくなる企画を行うことだった。ナイトツーリズム(夜間観光)や朝釣りなどのイベントを考える中で、「外国人には珍しいフグを活用できないか」とひらめいた。親交のある市議の紹介で先月、市内の飲食店でフグを取り扱う免許を持つ(株)集栄堂(南藤沢)の中山友希代表のもとを訪ね、フグの調理を見学した。
中山代表によると、藤沢の海でもフグは獲れるという。「フグの朝釣り体験や養殖など事業展開はできないか」と思いを巡らす市田さん。だが中山代表からは、漁獲量が極めて少ないことやフグ漁のための遊漁船が現在ないこと、養殖には海水温が適さないことなどの指摘を受けた。また近年では、フグ料理を出すチェーン店も増加し、ライバルが増えてきていることなども伝えられた。
「フグで藤沢を盛り上げる」という構想には、数々の障壁があることが明らかになった。今後は地域の人とより交流を深めるほか、フグ食が藤沢でも楽しめることをSNSで広めていき、認知形成をしていく考えだ。そんな市田さんの姿を中山代表は「できる限り応援する」と見守っている。
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