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公開日:2026.08.07

伊勢山自治会 空き家で地域の絆育む 移動スーパー拠点、憩いの場に

  • 他の客と会話を楽しみながらとくし丸で買い物をする住民

    他の客と会話を楽しみながらとくし丸で買い物をする住民

  • 空き家で地域の絆育む (写真2)

 長後地区の伊勢山自治会で今年度、空き家となった個人宅を活用し、高齢者の買い物支援と交流を図る「伊勢山サロン」が始まった。移動スーパーの誘致と連動した身近な拠点づくりとして、地域内で活動の輪を広げている。

 「来た、来た」――。

 伊勢山自治会の住宅街に軽快な音楽が響き渡ると、室内に集まっていた住民が笑顔で外へ繰り出し、互いに会話を弾ませながらトラックに並ぶ商品を吟味する。伊勢山サロンの日常の光景だ。

切実な声受け

 取り組みをけん引したのは、同地区で約10年、民生委員を務める山田祥子さん(68)。日頃の活動を通じ、地域の高齢者から「公共施設よりも身近で、顔なじみと話せる場所が欲しい」という声や、日常の買い物でタクシーに頼らざるを得ない不便さの訴えに接し、以前から地域交流の拠点となるサロンの運営を模索していたという。

 転機となったのは、サロンの会場となる空き家の存在だった。所有者である奥田健一さん(67・横浜市在住)の母親が施設へ入所したことで、実家が空き家となった。同宅を天候に左右されず過ごせる拠点として活用できる見通しが立ったことで、本来は個人契約が基本となる移動スーパー「とくし丸」を自治会単位で誘致・依頼できることに。市や社会福祉協議会、イトーヨーカドー湘南台店との連携を経て、今年3月にプレ開催。盛況を受け、4月からの本格始動に漕ぎ着けた。

買い物で深まる交流

 毎週木曜の午後から開放される同サロンでは、近隣に住む人同士が室内でお茶を飲みながら会話を楽しみ、トラックの到着を待つ。毎回10数人の買い物客が集まり、同店の肉や野菜、惣菜、お菓子など約400品目1200点から、店舗と同じように購入していく。会計時、商品1点につき20円の出張代がかかるが、同自治会の石井敦会長は「ここから長後駅までタクシーを利用した場合の運賃と比較しても経済的負担は少ない」と話す。

 開始後、独り暮らしで家に引きこもりがちだった高齢者がサロンでの会話を通じ、みるみる元気を取り戻す姿も見られたことに触れ、山田さんは「やって良かった」と確かな手応えを語る。石井会長も「市の施設もあるが、電子予約が必要だったり遠かったり。活動拠点があるのは有利」とし、移動スーパーの待機場所としてだけではない機能を実感している。

 今月下旬には民生委員やケアマネジャーに加え、行政、自治会が合同で勉強会を開催する予定で、今後は横のつながりを生かした情報交換の場としても活用していく。

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