鎌倉市観光協会の専務理事にこのほど、大津定博さん(56)が就任した。大津さんは三井住友銀行で働くかたわら、2009年に防犯・防災ボランティア団体「鎌倉ガーディアンズ」を立ち上げ、市内で開催される各種イベントの警備や文化財の見守り活動、家具の転倒防止器具の普及などに取り組んできた。銀行マンから観光業へ、異色の転身となった大津さんに今後の取り組みについて聞いた。
―8月の就任から約2カ月半が経過しました。これまでの印象を聞かせて下さい。
「まず協会の職員は、みな真摯に懸命に働いてくれています。鎌倉にとっての最大の産業である観光の担い手として、使命感とプライドを持とうと言っています」
―協会が抱える課題にどのように取り組んでいきますか。
「私に求められているのは、これまでの経験を生かした総務、経理など事務の強化のほか不採算事業の見直しと収益事業の強化、会員の増強だと考えています。コンプライアンスや個人情報管理のマニュアル作りなども進めます。また私は銀行員時代に『コンティンジェンシープラン』の作成に携わりました。これは企業や団体が災害や事故など不測の事態が発生した際の対応策を事前に定めるものです。鎌倉もこの1カ月で2回の大きな台風に見舞われましたが、我々が災害時の対応を決めておくことが、他の観光事業者の見本になると思います。『ガーディアンズ』で防犯、防災活動をやってきたからこそ、きちっとやりたいですね」
―今後の観光振興についてのアイデアは。
「官民問わず、観光に携わる全ての企業や団体との連携強化が必要だと思っています。なかでも鎌倉の魅力の中核を担っている寺社仏閣との連携は不可欠です。例えばお寺全体を貸し切って普段は見ることができない場所や文化財を参拝するといった『プレミアムツアー』を企画できないか、と考えています。また鎌倉ガイド協会をはじめ、観光に携わる多くの民間団体の『コーディネーター役』を観光協会が担っていきたいと思います。3月に鎌倉観光に関する市と協会のホームページが統合されましたが、市との連携も深めながら、情報を発信していきます」
―8月には観光庁の「バリアフリー旅行相談窓口設置に係る実証事業」の事業者に決定しました。
「就任してすぐに取り組んだものの一つですが、鎌倉市を年齢や障害の有無に関係なく旅行が楽しめる『ユニバーサルツーリズム』の最先端都市にしていきたいと考えています。来年の東京五輪を控え、外国人観光客も含めて様々な人を受け入れられる環境づくりを進めていきます」
―改めて鎌倉の魅力とは。
「首都圏、特に東京から近いという地の利は大きいと思います。私が鎌倉に住んでいるというと、多くの人が『妻との初デートは鎌倉だった』などと、思い出話を披露してくれます。恋人同士から結婚して家族になり、ハイキングや海水浴に来る。鎌倉って関東近郊の人にとって思い出の場所なんです。そうした『鎌倉ファン』の思いを生かす方法を考えていきます」
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