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公開日:2026.07.31

湘南鎌倉総合病院 国内初 ブタ腎移植治験へ 透析患者に新たな選択肢を

  • 記者会見で詳細を説明する関係者。中央が湘南鎌倉総合病院の小林院長(写真提供=湘南鎌倉総合病院)

    記者会見で詳細を説明する関係者。中央が湘南鎌倉総合病院の小林院長(写真提供=湘南鎌倉総合病院)

 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(鎌倉市岡本)は、株式会社ポル・メド・テック、北海道大学と連携し、遺伝子改変ブタの腎臓を人間に移植する「異種腎臓移植」の国内初となる企業治験に向けた準備を開始した。関係当局との協議を経て2028年の治験開始を目指す。深刻なドナー(臓器提供者)不足が続く日本の移植医療において、多くの人工透析患者に新たな希望をもたらす挑戦として大きな注目を集めている。

深刻なドナー不足

 (一社)日本透析医学会によると、国内の慢性透析患者数は約34万人といわれ、多くの患者が生活上の制限を受けながら長期間の透析治療を余儀なくされている。臓器提供を待つ患者の平均待機期間は約15年に及ぶのが現状だ。

 7月21日に開かれた記者会見で同院の小林修三院長(腎臓内科医)は、日本の臓器提供の厳しさを強調した。人口100万人あたりの臓器提供者数が米国で49・7人に上るのに対し、日本はわずか1・13人にとどまる。「この圧倒的な不足の中で、ブタの腎移植(異種移植)は患者にとって大きな希望になる」と思いを語った。

研究と臨床を連携

 湘南鎌倉総合病院は、2023年の腎移植実施件数が37件と神奈川県内で第1位(全国7位)で、豊富な臨床実績を持つ。今回の治験では、手術手技の確立や多職種による周術期管理、診療モデルの構築など中心的な役割を担う。

 さらに同院は、ライフサイエンス分野の研究開発拠点「湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)」に隣接し、同施設内には病院専用の研究ラボを備えている。基礎研究の成果を迅速に臨床へつなげる環境が整っていることも、今回の参画を大きく後押しした。

 また、2027年中にブタから迅速に腎臓を摘出するための専用施設の整備も計画されている。

62%「受けたい」

 臨床応用にあたっては倫理面や感情的なハードルも議論されるが、ポル・メド・テックが患者や家族を対象に行ったアンケートでは、「主治医が進めれば受けたい」との回答が62%を占めたという。

 小林院長は「人工透析、生体・死体腎移植に続く『第三の選択肢』として、一人でも多くの患者を救いたい。『生命は平等だ』という理念のもと、安全性と倫理性を最優先に治験の成功を目指す」と意気込む。

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