――”地元凱旋公演”ともなる神奈川フィルフューチャー・コンサート秦野公演に出演することへの想い、メッセージをお願いします。
クアーズテック秦野カルチャーホールは私が幼い頃からの思い出がたくさん詰まったホールです。いちばん古い記憶ですと幼稚園のお遊戯会、ピアノ講師をしていた母の発表会など、今でも目を閉じると懐かしく思い出します。2019年に共同制作『カルメン』で共演させていただいた神奈川フィルさんと、ご一緒させていただけること、本当に嬉しく思います。また、名誉指揮者である現田茂夫マエストロ、歌手の皆様は今回が初めてなのでお会いするのがとても楽しみです。
――オペラ初心者の方も来場されると思います。聴きどころや楽しみ方を教えてください。
今回のコンサートは数あるオペラの中でも有名どころ、名曲を収めたコンサートです。オペラを見たことがない人も、きっとどこかで聴いたことのある曲があるのではないでしょうか。コンサート前半で演奏する『カルメン』は私が今住んでいる、スペインが舞台のオペラ作品です。スペインの太陽のように熱く、情熱的なカルメンをお客様に感じて頂けたらと思います。今回のコンサートをきっかけにオペラに興味を持っていただき劇場へ足を運んでいただけたら嬉しいです。また1500円でチケットをご購入いただける25歳以下の方々のご来場も心よりお待ちしています!
――歌手を志したきっかけ、音楽への想いを教えてください。
音大出身だった母の影響はとても大きいと思います。小さい頃からレッスンをするピアノの音色やクラシック音楽を聴きながら育ちました。そして中学3年生の時、声楽の先生から新国立劇場のプッチーニ『ラ・ボエーム』のチケットをいただき、鑑賞したことが大きなきっかけの一つです。初めて聴く本格的なオーケストラ演奏に煌びやかな舞台美術、そしてホールの奥まで心地よく通る歌手の歌声。衝撃を受けました。元々、歌うこと、人前に立つこと、目立つこと、演じることが好きだったので一気にその魅力に落ちていったのです。
東京藝術大学に入学し、そこから大学院、イタリア留学、そしてバレンシアの劇場研修と、今思うと本当に幸運で恵まれた環境で素晴らしい歌手、指揮者と出会い多くの方に導かれて今の自分があると思います。
――今後の抱負をお願いします。
2013年に日本を出てからヨーロッパでさまざまな挑戦や経験を積んできました。フリーランスで働き始めてからは海外で歌い続けるプレッシャーともともとの私の性格からくる『誰にも負けたくない』という闘争心で音楽の本質が見えなくなった時期がありましたが突如訪れたコロナウイルスの流行で与えられた長期活動休止期間ではゆっくり自分と自分の音楽と向き合うことができたと思います。また、舞台でお客様の前で演奏することは当たり前ではなく、特別なことなのだということがわかりましたし、今は一つ一つの演奏機会にとても大きな喜びを感じます。今回、故郷秦野で演奏できることに感謝し、さらに精進して魅力あるメゾソプラノ歌手になりたいです。
――ありがとうございました。
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