秦野 人物風土記
公開日:2026.08.28
八重桜の塩漬け加工グループ「千村若竹会」の代表を務める 加藤 菊恵さん 渋沢在住 46歳
八重桜に魅せられて
○…八重桜の塩漬け文化を守るため、築100年の古民家を再生し、里山と人がつながる交流の場を創ろうとクラウドファンディングを開始した。「次世代にこの伝統と大切な景色を残していきたい」と意気込みを語る。秦野に来たのは11年前、若竹会には6年前に入会。入会して半年間、ケガで不在の前代表に代わり実務を担ったことで、会になくてはならない存在に。現場で経験を積み、3年前に正式に代表に就任した。
○…鹿児島県出身。進学を機に上京し、都内の制作会社でイベントの企画や運営の仕事に注力していた。転機は結婚後の妊娠中、突然の夫の「就農したい」という宣言。「つわりもあり頭がすっきりしていなくて、老後の話かと思った」と当時を振り返り笑うが、伸びやかな子育てと農業に最適の環境を求め、夫の実家がある秦野へ。「いざとなったら元の業界に戻ろう」との思いも抱きつつのスタートだった。
○…地域の特産である八重桜を知ったのは、息子が生まれた4月。近所の人がちょうど摘み取りをしている様子を目にし、翌年自らも塩漬け作りに挑戦した。「可愛くておいしくて、すっかり好きになった」と目を細める。当初はグループへの入会を一度断られたものの、会の状況が変わり1年後に改めてオファーが。念願の入会を果たしたという経緯を持つ。
○…「一度住んだら都会には戻れないですね」。おいしい水や豊かな自然に魅せられ、今や誇りを持つ大の秦野ファン。現在は夫と菩提で「コトトキ農園」を営み、農薬や化学肥料に頼らない栽培方法で茶などを育てる。休みはほぼないと言うが、野焼きやヤギと遊ぶ時間が日々の大切な癒やしだ。秦野の宝である文化を未来へ。挑戦は始まったばかりだ。
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