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秦野 コラム

公開日:2026.09.25

秦高100周年に寄せて コラムリレー 広畑ヶ丘空はれて 第16回 相原 孝雄(高15回卒)

  • 広畑ヶ丘空はれて (写真1)

 それは秦野高校1年時の、ある寒い冬の日の体育の授業の折でした。

 桐生先生が担当で、広畑ヶ丘の運動場に生徒が横二列に南方向の相模湾に向き、先生は弘法山を望む対面する位置となりました。開口一番、先生が朗々と「冬来たりなば春遠からじ」と語り始めたのです。続けて先生は、次のような主旨のお話をされました。

 「今日は大変寒いが、体育の授業を始める。寒さに打ち勝つ気持ちを持って欲しい。今、『冬来たりなば春遠からじ』と言ったが、この寒い日々の後には爽やかな暖かい春が訪れる。君達は今年、秦高に入学したばかりで将来は前途洋々としている。高校生活から、進学、就職と、長い人生を歩む中で苦しいこと、辛いことに直面することがあると思う。そんな時この言葉を思い出して欲しい。強い気持ちで努力すれば、必ずや希望に満ちた幸せな時期が得られるのです」

 続けて、先生はより熱を帯び「この広畑ヶ丘に立つと、前には相模平野、相模湾が広がり、それは太平洋へ、世界へと続き活躍の場は広く開けている。背後の弘法山、丹沢山塊が君たちを見守り、応援してくれていることを忘れないで欲しい」と結んだのでした。

 あの時から60有余年。進学、就職、社会人として生活の色々な局面、とりわけ銀行からの派遣で会社再建の責任者として当たった時期には、このお話を思い出し、励みとしました。

 秦高時代の思い出は多々ある中、あの日のあの校庭でのお話と、桐生先生のキリッとした立ち姿は忘れることのないシーンです。

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