長井地区 「民泊修学旅行」誘致へ 民家に宿泊、生活体験など
長井地区で「民泊修学旅行」を受け入れる取り組みが本格化している。地域の民家に宿泊し、生徒らに生活体験の場を提供するのもので、地場産業である農業や漁業に触れるプログラムなども用意する。横須賀市も観光集客の目玉事業に位置づけており、地元の態勢づくりや安全管理のほか、誘致に向けた広報などの支援を旅行会社と協力して行う。
自然体験や地域交流を実現できる「民泊修学旅行」を導入する学校が全国的に広がりを見せている。受け入れる側も名所や旧跡、宿泊拠点がなくても団体客を呼び込めるとして、これまで観光地ではなかった自治体が独自のプログラムを開発するなどして誘致に乗り出している。
長井地区では来年5月に神戸の中学校から約60人を初めて迎える。地域の民家に生徒3〜4人を振り分けて、漁師町の生活や文化を楽しんでもらう。現時点で受け入可能な民家を20軒程度確保しており、取り組みの周知を図りながら協力者を増やしていく考えだ。体験プログラムや土産物品の開発も急ぐ。
地元関係者は「期待するのは経済効果だけでなく、地域力の底上げ。民泊事業の推進をテコに一体化が図れれば」と話している。昭和50年代頃に旧藤野町と長井地区の小学生が宿泊を含む交換滞在を行っていたこともあり、下地になる経験やノウハウもあるという。
民泊事業のアドバイザー役を務めるJTB法人東京横須賀支店のスタッフは、「長井は農漁業や自然をコンパクトなエリアで体験できる。修学旅行の定番となっているディズニーランドとの距離感も抜群。(学校に対して)多彩なプログラムを提案できる」と積極的に売り込む姿勢を語った。
三浦市では、2006年度から市内の民宿を滞在先とする体験型修学旅行の誘致活動を進めている。市の職員が地方の旅行代理店に出向くなど、地道な営業活動を行っている。今年度は中・高合わせて15校の誘致に成功。三浦市到着からすべての行程を市の職員がアテンドする手厚いサービスで相手校の信頼を得ている。訪れた生徒らは、地引網や地場産の食材を味わうバーベキュー、魚のひらき体験などを楽しんでいるという。
|
|
|
|
|
|