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鎌倉 人物風土記

公開日:2015.06.05

かながわ音楽コンクールのヴァイオリン部門で県知事賞を受賞した
片山 遥さん
梶原在住 18歳

「自分らしさ」演奏で表現

 ○…「出番が一番最後でプレッシャーはありましたが、自分らしい演奏ができたのが良かったと思います」。5月6日に行われた「かながわ音楽コンクール」ヴァイオリン部門で大賞となる県知事賞を獲得した。挑んだのはロシアの作曲家・プロコフィエフの協奏曲。「一見冷たいけれど情熱を秘めたこの曲の奥深さを、大舞台で披露できてうれしかった」と朗らかに語る。

 ○…4歳のとき、幼稚園の友人の影響でヴァイオリンを始めた。「練習はちょっと苦手だったけれど、舞台に立つことは大好き。人に聞いてもらうのが楽しくて」どんどんのめり込んでいったという。市内などで開催されたコンクールに出場するうちに、「もっと本格的にやっていきたい」と決意。東京芸術大学附属音楽高校では、全国から実力者が集まる環境で腕を磨き、室内楽やオーケストラなど多様な表現にも挑戦した。

 ○…成長を感じながらもコンクールでは思うような結果が出せなかった高校時代。卒業後すぐに参加したベルギーでのコンクールで転機が訪れた。初めての海外での演奏に緊張したが「外国の出場者がみんな、本当に自由な演奏をしていた。『賞を取るため』よりも自分らしい音楽をやろう、と視野が開けました」。持ち味である豊かな感情表現を発揮し、2位に入賞した。現在は4月に進学した東京芸大で練習に明け暮れる。「表現の幅を広げるためにも今は基礎を一からやり直しているところ。音楽に限らず色々なことに挑戦したい。自分が成長した分だけ演奏も豊かになる気がするので」と涼しげな眼差しで未来を見つめる。

 ○…音楽好きの父親や仲のいい妹からは「少し辛口」なアドバイスをもらい、祖父母はコンサートの度に会場へ駆けつける。「周りの支えがあったから今の私がある。一人前のヴァイオリニストになったら鎌倉でコンサートを開いて、多くの人に楽しんでもらえる演奏をしたい」と微笑んだ。

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