神奈川区 人物風土記
公開日:2026.06.11
羽沢小学校、菅田の丘小学校の授業で畑や養蜂について教える 出川 宏幸さん 保土ケ谷区在住 78歳
人へ自然へ利他の精神
○…800坪を超える「羽沢ファーム」で循環型農業を目指し、無農薬・有機栽培の野菜や花を育て、烏骨鶏約100羽の飼育や養蜂までを手掛ける。区役所では蜂の生態や環境問題にまつわるセミナーの講師を担当したことも。「動物、人、自然に優しくなければ」とほほ笑む。
○…実家が借りていた畑を手伝い、幼少期から土に触れて育った。18歳で旧電電公社(現NTT)に入社。転勤先でも畑を借り、野菜を育てていない時期はなかったという。通信設備の設計や管理、営業等、新設部門での全国転勤など多忙を極める一方、私生活では登山、ヨットにパラグライダー、バイクと、アクティブな趣味に没頭。「空、海、山。色んな視点で物事を見る目が養われた」と振り返る。約10年前、水が使いやすく育てやすい場を求め、羽沢ファームに行きついた。
○…「せっかくやるならプロから学ぶべき」と未知の分野でも人脈と読書で知識を貪欲に吸収し、その知識の集大成が現在の畑。10年以上放し飼いで育てている烏骨鶏の卵、7箱の巣箱から採れたハチミツや無農薬野菜は農協の直売所に並ぶ。近年の気候変動や生物多様性の損失について、「自然環境が壊れることを危惧している。皆が生きる環境づくりに参画してほしい」と語る。
○…座右の銘は「忘我(ぼうが)利他(りた)」。現在は羽沢小や菅田の丘小の児童を受け入れ、養蜂と環境問題の授業をボランティアで買って出る。教育への熱い思いから、児童たちに教える前には、教員向けにも「畑ツアー」を開催している。「教育は最も大事。小学生が成長していく姿を見るのが一番楽しい。いろいろな体験をさせてあげたい」。利他の精神を胸に、今日もファームで子どもたちの笑顔を待ち構えている。
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