神奈川区 人物風土記
公開日:2026.11.05
11月15日に開催される「横浜市場まつり2026」の実行委員長を務める 荒井 聡さん 山内町在勤 72歳
「ハマの台所」の生き字引
○…横浜市民の台所・中央卸売市場。その日頃の感謝を込めて、市場の魅力を伝える「横浜市場まつり」の陣頭指揮を執る。「以前は広い場所で色々な人が関わる大規模なものだった」祭りも、市場の変化や時代の流れで形を変えてきた。それでも、市場関係者が主体となり、来場者に心から喜んでもらえる企画を練り上げる日々だ。
○…人呼んで“市場の生き字引”。半世紀以上働いてきた市場への思い入れは人一倍強い。「みなとみらいのビル群ができる前から、市場全体が一つになって歴史を築いてきた」。近年では土曜日の一般開放の責任者として、「マグロの日」の抽選会など市場への関心を高めてもらう取り組みを進めてきた。横浜の食を支えてきたという自負が、その言葉の端々からにじみ出る。
○…北海道で生まれ、大学進学を機に18歳で上京。アルバイトで訪れたのが中央卸売市場との出会い。マグロ専門店の菊平で仲卸の仕事に勤しんだ。大型スーパーの出店が急速に進み、仲卸の仕事も全盛期。「サラリーマンは嫌だな」と大学を卒業せず、セリ場で商売の基本と人間関係を学んだ。その後、バブルの崩壊で会社が傾きかけた中「お世話になった会社の立て直しをしないと」と社長に就任。以来30年近く、経営の最前線に立ち続けた。
○…流通の形が激変した50年。「市民の人たちが、『やっぱりあそこに市場がなきゃ』と言ってもらえるのが一番」と語る。そのためにも変わりゆく現状を肯定しつつ、「公の市場」の在り方を考え続ける。海の幸を扱うトップとして日々奔走するが「どっちかっていうと魚より肉のほうがが好きだな」と茶目っ気たっぷりに笑う。その飾らない人柄が、多くの人を惹きつけてやまない。
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