神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中原区版 公開:2025年3月14日 エリアトップへ

戦争経験者小川さん 「生き残った者の義務」 川崎市平和館で講演

社会

公開:2025年3月14日

  • X
  • LINE
  • hatena
経験談を伝える小川さん
経験談を伝える小川さん

 川崎市平和館で3月8日、「戦後80年 川崎大空襲記録展 戦時下の市民生活と川崎大空襲」と題した企画展が始まり、戦争経験者の小川一夫さん(94)が講演した。

 小川さんは80年前の4月15日夜、自宅があった稲毛神社近くの宮本町(現在の川崎中央郵便局周辺)で被災。神社の生木が燃える光景を目の当たりにし、燃え盛る炎と火の粉が降りかかる中、足が不自由な母と姉をリヤカーに乗せ、父と近くの広場まで避難。翌朝戻ると自宅は焼失し、思い出の家族写真や先祖の位牌も失った。その後も深刻な食料不足に直面し、一夫さんの一家6人で、手のひら一杯だけの米や甘藷(さつまいも)などで生きながらえた困窮さを、涙ながらに伝えた。

 今も当時を思い出し身がすくむ思いに悩まされるという小川さん。それでも90歳を過ぎ、語り部をする理由について「無念の死を遂げた人たちに代わって、真実を語り続けることが生き残った者の義務」と強調した。

企画展は5月6日まで

 当日は平和学習に取り組んだ東橘中学校の生徒も登壇。広島を訪れ、現地で聞いた話などを発表した。御田光さん(15)は「国や考え方が違っても相手の視点に立ち理解することが大切だと感じた」と話し、松倉朱音さん(15)は「平和が当たり前ではなく、危機感をもち次世代に伝えていきたい」と思いを込めた。

 今回の企画展では当時の白黒写真をAIや証言を基にカラー化したパネルなどを展示。5月6日(火)まで開催されている。

活動発表する生徒
活動発表する生徒

中原区版のローカルニュース最新6

人体の驚き、数字で

人体の驚き、数字で

北野書店が図鑑出版

5月23日

地域の思い出、後世に残す

井田中ノ町伊藤さん

地域の思い出、後世に残す

自宅の蔵に記録を収集

5月23日

「家族会の役割大きく」

あやめ会

「家族会の役割大きく」

通常総会で決意述べる

5月23日

地元の歴史、写真と語る

新丸子小野さん

地元の歴史、写真と語る

昭和知るため来訪者多数

5月23日

万博で「藻」の技術披露

ちとせ研究所

万博で「藻」の技術披露

日本館ファームエリア監修

5月23日

収益を活動費に

いのちの電話

収益を活動費に

6月1日 チャリティー寄席

5月23日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

中原区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

中原区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年5月23日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Facebook