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公開日:2026.07.17

子どもの幸せ、権利で高め 川崎市人権オンブズパーソン・山口氏に聞く

  • インタビューに応じる山口人権オンブズパーソン

    インタビューに応じる山口人権オンブズパーソン

 本紙は、今春「川崎市人権オンブズパーソン」に着任した小児科医の山口有紗氏にインタビューを行った。弁護士の就任が多い同職で、小児科や児童精神科、公衆衛生を学んだ医師の起用は異例だ。任期は2026年4月からの3年間。

 山口氏が重視するのは、人権侵害の現場をただ解決するだけでなく、学校の構造や大人の働き方など「構造的な背景」へのアプローチ。医療や公衆衛生の視点から、トラブルの背景にある課題を子どもと一緒に考えて変えていきたいという。全国の自治体で子どもの権利条例の策定やオンブズパーソン設置が進む中、地域ごとの点にとどめず、横の連携を深めながら日本全体の仕組みを良くしていきたいという夢も抱く。

 GIGA端末の普及により、メール相談でハードルが下がり相談が増えた。一方で多くの相談窓口があることから、それぞれの役割の違いが子どもや現場の職員に分かりにくくなっている課題に直面していると指摘。今後は、学校や園で楽しく権利を学ぶなど普及啓発に注力し、子どものウェルビーイングを高めていく考えだ。

 山口氏は2020年から市内の療育センターで勤務し、子ども夢パークの活動にも関わってきた。自身も中学時代に心の不調や不登校を経験し「不調は本人の要因だけでなく色々なことが関わり合っている」と実感。診察室を超え、社会の仕組み自体を子どもに優しいものに変えたいという思いが原点にある。

小さなサインに気づいて

 間近に迫る夏休みや休み明けの危機を前に「子どもは8月31日にいきなり死にたくなるわけではなく、その前から必ずサインを出している」と指摘。周囲の大人がその変化に気づき、子どもが抱く怒りや悲しみも大切な感情としてそのまま受け止めることが必要だと訴える。同時に、大人自身の心の健康も強調。「大人がひとりで頑張りすぎず、周囲を頼る『相互依存』の背中を見せることこそが、子どもが安心して悩みを打ち明けられる環境につながる」と語った。

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