（上）淵野辺駅で反対署名を呼びかける有志メンバー（下）加山市長に要望書を提出した市自治会連合会の田所会長ら
ＪＡＸＡ相模原キャンパスの移転問題を受け、市内で事業継続を求める動きが市民団体を中心に活発化してきた。12日は、市自治会連合会が移転反対に関する市への要望書を提出。15日には淵野辺駅で商店街メンバーらを中心に反対を求める街頭署名活動が行われた。反対活動に加わる団体は今後も増える見通しで、国に対して移転反対を強烈にアピールするため、市民一丸となった取組みはさらに過熱していきそうな様相だ。
市自治会連合会は市全域の５９４自治会、22地区自治会連合会で構成されており、現在17万７２１８世帯が加入している（２０１５年４月１日現在）。同連合会の田所昌訓会長によると、ＪＡＸＡ移転に反対する署名活動の動きを聞きつけたことで、ＪＡＸＡが「はやぶさの故郷さがみはら」として市民の誇りである点、市民と行政が一丸でまちづくり、シティセールスに取り組んできた点を考慮し、自治会での反対に向けた対応を検討した。はじめは会員から署名を集める意見が出されたものの、会員全員の署名を集める日程調整がつかず、一時断念。その後、緊急役員会を開き、同連合会から自治会全世帯の総意として要望書を市に提出するとした代替案を10月30日に正式決定した。
要望書を受け加山俊夫市長は、国が取組む政府機関の移転が国と地方の関係に悪影響を及ぼしかねない点に言及した上で「市とＪＡＸＡの関係など実態を伝え、手放さないよう頑張りたい」と決意を示し、田所会長は「短期決戦になると思うのでよろしく頼みたい」と激励した。同連合会によると、今後は市内の主な64団体に呼びかけ、11月24日までに反対の意向を取りまとめる予定で、12月初旬にも再度要望書を提出する構えだ。
駅利用者が熱心に署名
15日には淵野辺駅で大野北まちづくり会議、同駅北口の商店街・にこにこ星ふちのべ協同組合のメンバーや小野弘市議ら有志の会が中心となって移転阻止に向けた署名活動を実施。メンバーらは改札前に並び、反対を掲げた旗を持つなどして署名を呼びかけた。署名用紙の前には足を止めて応じる駅利用者や家族連れなどが並ぶ姿が目立った。署名は１時間で約４００筆を集めた。
市一丸の姿勢見せる
今回淵野辺駅で実施したＪＡＸＡ移転反対への署名活動について、小野市議は「12月いっぱいをめどに、署名活動を続けたい。代議士、県議、緑区、南区の市議にも働きかけ、全体でバックアップをお願いし、議会、市民一丸の姿勢を国に見せたい」と話すと、同組合の茅明夫さんは「多くの人に署名頂いた。市民の声をもっと集めていきたい」と意気込みを見せた。「淵野辺の良さを考える」を題材とした総合学習の一環として、淵野辺小学校６年生も訪れ、ＪＡＸＡ移転について高橋七海さんは「なくなると寂しい」と話し、井上颯士君は「毎年特別公開に行っているので、なくならないでほしい」とそれぞれの思いを述べた。
今後の市民団体の反対運動として、市立小中学校ＰＴＡ連絡協議会（市Ｐ連）が協力を検討しているほか、11月20日の淵野辺駅北口のイルミネーション点灯式、12月６日・13日に桜美林大学プラネットキャンパスで開催されるＪＡＸＡ講演会でも署名活動を行う。市内の公民館には今週中に署名用紙が設置される見込みだが、この用紙はにこにこ星ふちのべ協同組合のホームページからもダウンロードが可能で、記載した用紙については大野北まちづくりセンターで受け付ける。
移転反対に向け、市民が意思表示できる体制が整いつつある情勢だ。
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