戻る

さがみはら中央区・緑区 教育

公開日:2026.07.16

教育現場をサポートする会 市教委へ民間連携を提案 「教員に子どもと向き合う時間を」

  • 要望書を手にする若林局長(左)と飯塚代表

    要望書を手にする若林局長(左)と飯塚代表

 教員の不足や長時間勤務が全国的な課題となる中、民間の力で学校現場を支援する「教育現場をサポートする会」(飯塚侑代表)がこのほど相模原市教育委員会に要望書を提出した。地域企業のバックオフィス人材が学校の事務業務を担う実証実験を提案するもので、教員の負担を軽減し、子どもに向き合う時間を創出すると同時に、地域と学校のつながりを深め、教育の質向上につなげたい考え。

 背景には、教員不足や学校が対応する課題の多様化が進んだことで教員の業務量が増大している現状がある。

 市教委は2018年に「学校現場における業務改善に向けた取組方針」を策定。以来、学校給食費の公会計化やスクール・サポート・スタッフの全校配置といった取り組みを進めてきた。その結果、1カ月の時間外在校等時間が45時間以内の教員の割合は58%(22年度)から70・7%(24年度)へ増加したが、依然として業務が長時間におよぶ教員も多く、子どもと向き合う時間の十分な確保が難しい状況が続いている。

 市教委は24年に設置した若手教員による学校現場改善プロジェクトチームの提案を踏まえ、今年3月に教員の時間外在校等時間の縮減とウェルビーイング向上を目的とした「学校現場における働き方改革プラン」を策定。25年に新設した「働き方改革推進室」を中心に、冬期休業中の学校閉庁日の新設や、小学校の教科担任制の拡充、教材費等の徴収方法の検討など、国の方針を踏まえた取り組みを進めている。

 同会は、こうした行政の取り組みの「隙間を埋める補完的な仕組み」として、モデル校1校を対象にした3〜6カ月間の小規模実証実験を提案した。民間企業の事務職などがプリントや資料作成の補助といった教育専門性が求められない業務を代替するもので、新たな予算措置は求めず、行政や学校に負担をかけない設計としている。

 緑区で塗装業を営む飯塚代表(飯塚塗研(株)代表取締役)は、7年ほど前から「総合的な学習(探究)の時間」の授業構築支援や協力者の紹介を通じて現場を支援してきた。昨年からは教員と経営者との交流会を開催。現場の声を踏まえた持続可能な支援を検討する中で、今回の提案に至ったという。

「改善したい」1位は業務量

 同会が市内の教員89人に行ったアンケートによると、教員が最も改善したいのは「業務量」。同会はアンケートや教員との意見交換を踏まえ、「教員は事務作業に多くの時間を割かざるを得ず、子どもと向き合い学習を十分に深める余地や、地域連携に必要な外部調整の時間が限られている」と指摘する。

 飯塚代表は「熱意を持って子どもたちに向き合っている先生が、もっと力を注げる環境を作りたい。外部の力で事務作業を効率化し、空いた時間を授業の質向上や探究学習の充実など本来の教育活動に充ててもらう。学校が助かる状態を当たり前にしたい」と支援の必要性を訴えた。

 要望書を受け取った若林和彦教育局長は「これまでIT化や外部委託に取り組んでいる中で、時宜を得た提案。具体的な内容は精査が必要だが、しっかりと受け止めて対応を考えたい」とコメントした。

 同会の提案について、市内の小学校教諭の一人は「教員免許がなくても担える業務を外部と分担することで、教員は子どもや授業により深く向き合える。教育の未来を明るくする仕組みだと感じる」と期待を寄せる。

 一方、協力企業にとっても社会的価値向上や将来的な人材接点を得られるメリットが生まれる。市内の経営者の一人は「公教育と民間がつながることで、子どもたちの学びはより豊かになり、企業にとっても地域貢献の価値を高める機会になる。ともに地域を育てていけたら」と話す。

 同会は、自治体の社会的優位性向上や、教員志望者の増加も効果に挙げる。飯塚代表は「教育改善と地域とのつながりの第一歩にしてほしい」と検討を呼び掛けている。

さがみはら中央区・緑区 人気記事ランキング

  • 前日
  • 1週間
  • 1か月

もっと見る

さがみはら中央区・緑区 人気記事ランキング

  • 前日
  • 1週間
  • 1か月

もっと見る

もっと見る

もっと見る

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

さがみはら中央区・緑区 ローカルニュースの新着記事

さがみはら中央区・緑区 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS