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さがみはら中央区・緑区 社会

公開日:2026.08.20

市内NPO 障害児に新たな視力測定 9月 第2回体験会

  • 検査に使用する道具を手に持つ五十嵐さん(左)と同法人の滝川久美子さん

    検査に使用する道具を手に持つ五十嵐さん(左)と同法人の滝川久美子さん

 発達・知的障害のある子どもたちを支援する市内の団体「NPO法人ぴあっと」(緑区大島)は今年、発達障害や知的障害のある子どもの視力測定方法を検討するプロジェクトを実施している。6月には第1回体験会が行われ、参加した子ども10人のうち5人が初めて視力測定につながった。9月には第2回を予定している。

「諦めていた」

 障害のある子どもは、検査方法の理解が難しい、初めての環境への不安が強いなどの理由から、視力測定に課題のある場合が多い。見えていたとしても手や発話などで答えを伝えるのが難しいこともあり、結果として、子どもが「見えているのか、見えていないのか」が分からず、保護者が不安になるケースも少なくないという。

 同法人代表理事の五十嵐舞子さんは、最重度の知的障害と自閉症のある小学5年の息子を育てる。「息子はこれまで一度も視力測定を受けられたことがなく、諦めていた」と話す。しかし、眼科でイラストを使った視力測定の方法と出会い、「子どもたちそれぞれに合った方法があるのでは」と考えたことがきっかけで、視能訓練士や眼鏡屋、保育士などと共に今回の取り組みを始動した。

 同プロジェクトでは、一般的な「C」の形をしたランドルト環による測定のほか、イラストや機器を使った方法など複数の手法を用意。発達段階や得意なこと、不安に感じることに合わせ、無理なく取り組める環境を整えている。

段階的に理解促す

 測定は、大きな目標を小さな段階に細分化し、一つずつクリアしていくことで最終的なゴールを目指す「スモールステップ」形式で行う。まず図形のブロックを決められた位置にはめる「形合わせ」から始め、その後、ランドルト環型のブロックに切り替え、四方それぞれの向きで形合わせを繰り返す。これを通じて、子どもがランドルト環を見て向きを示すことにつなげる。五十嵐さんは「段階的に練習していけば、通常の検査内容が理解できない子どもに対しても理解を促していける」と話す。

 第1回では、5人が初めて視力の目安を得ることにつながった。これは医療機関での診断ではないものの、視力測定自体を諦めていた家庭にとって大きな一歩となった。「こんなに抵抗なく楽しく参加でき、しかも『見えている』と分かるなんて」と涙を流す保護者もいたという。

 一方、課題として挙がったのが、子どもが検査会場の空間に慣れるまでに時間がかかること。第2回も同じ子どもたちを対象に実施し、「今回できなかった子どもも少しずつ慣れていければ」と五十嵐さんは話す。

 同法人は今年、全2回の体験会を通じてノウハウを蓄え、市内外への普及に向けて今後の展開を模索していく。五十嵐さんは「視力測定を諦めている親御さんに諦めなくていいと伝えたい。親子で成功体験を積んで子どもの可能性に気づいていけたら」と話している。

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