6月8日(日)告示・15日(日)投開票の三浦市長選は、現職と新人の対立構図が固まりかけたが、県外から3人目の候補者が現れ、三つどもえの状況となっている。5月末までに立候補を表明しているのは、6期目に挑む現職の吉田英男氏(69)、元会社員で市民団体代表の出口嘉一氏(43)、千葉県柏市在住でコンサルタント業の秋葉俊二氏(56)の3人。人口減対策や水産業の振興、教育改革などが主な争点。6月3日時点の有権者数は3万5301人、前回2021年は無投票で、前々回の投票率は38・90%だった。
5期の実績強調吉田英男氏
水産業を核に、海をテーマにして経済の活性化を図る「海業」推進など、地域特性を生かしたまちづくりを掲げる。これの実現に向けて国・県・市のチームプレイで挑むことを強調する。防災分野などを中心に三浦半島の広域連携の重要性を説くのも単独の自治体として個性を発揮するための基盤強化が狙いだ。
昨年、休止状態に陥った三浦海岸海水浴場は再開に向けていち早く行動を起こし、市の主導で再生の道をめざす。市役所の移転に関連して当初は三崎地区に移動式の出張所を設置する考えだったが、市民ニーズを理解して、出張所機能を残すことを決定するなど迅速に解決策を示してきた。
こうした一連の取り組みや方針をタウンミーテイングで伝達。問われる多選の是非は「選挙で市民に問う」としている。
多選を阻止出口嘉一氏
「選ばれるまちづくり」のスローガンを掲げ、現市政の刷新を目指す。
3人の子を育てる現役世代。教育の充実を公約の一丁目一番地に掲げる。小中学校の統廃合計画の白紙化や小中学校給食の無償化に加え、探求型学習のモデル校新設構想を打ち出すなど「教育と子育ての先進自治体をめざす」。実現に向けた予算確保の一方策として、市長のボーナスと退職金の全額返上を公言。身を切る覚悟を示す。
15年間勤務した化学メーカーの営業職を辞し、1月に「新しい三浦市政を考える会」を設立。政策を伝える辻立ちを市内各所で行ってきたほか、SNSを駆使して幅広い世代への浸透を目指す。
多選批判を展開しており「人口減少など三浦市の衰退に歯止めをかける」
衰退状況を好転秋葉俊二氏
「地元の皆さんを笑顔でいっぱいにしたい」-。本紙の単独取材で立候補の理由をそう説明した。
千葉県柏市出身。三浦市とは妻の親族が市内で飲食店を経営していたことで関心を持つようになり、「三浦市の衰退を好転させるには民間のアイデアが不可欠」と決意を固めた。
「諦めかけている市民の意識改革を促すことで活気を呼び戻す」と力説し、地域のデジタル化や大規模災害に備えた要塞化をめざす。
財政の安定と雇用の創出に向けて企業誘致にも乗り出す考えも述べている。外国車ディーラーでトップ営業マンだった経験と人脈を駆使して実現させるという。
対面重視の姿勢を示し、SNSを使わずに様々な場所での演説を通じて政策を訴える。
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