矢部ふさおの「花たれ雑記【2】」 長柄交差点、渋滞緩和の軌跡
連載初回の前回は、整備計画が手つかずになってしまっている三浦半島中央道路について意見を述べさせていただきました。まちが抱える交通環境の改善は、今も昔も大きな課題に違いありません。今回は私が県会議員として県政に携わっていた当時に手掛けたことを少し紹介させていただこうと思います。
交通にまつわる課題のいの一番と言えば渋滞です。逗子市、葉山町にお住まいの方で車の混雑に頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか。
今からおよそ30年前、葉山から逗子へ向かう県道は長柄交差点を先頭に慢性的な渋滞が起きていました。通勤や通学で逗子駅に向かう車が大行列を成し、ひどい時には御用邸まで続いていたと記憶しています。今も雨の日、送迎の車でJR逗子駅、新逗子駅が中心となって渋滞することはしばしばですが、当時は比べものにならないほどでした。
私が市議会議員で、逗子葉山青年会議所に在籍した当時に同会議所がまちの課題を抽出しようと、住民を対象に行ったアンケート調査では、町民の約6割が交通環境の悪さを指摘。実に過半数が環境改善を望んでいたことが分かります。
検証したところ、県道が渋滞した原因は2つ。1つは長柄交差点の右折帯が短く、逗葉新道方面に向かう車が直進道路まで溢れていたこと。もう一つはバスが停車する路側帯(バスベイ)がなく、昇降で停車した際バスが栓になり、さらに渋滞を引き起こしてしまっていたことです。その後、県会議員として初当選した私は、県及び当該地区の地権者などと交渉を行い、右折帯をおよそ倍の長さに延長することと交差点の前後3カ所にバスベイを作るよう働きかけました。過去の実績を持ち上げるつもりは甚だありませんが、当時の渋滞緩和に少なからず貢献できたとは思っております。
私が訴えたいのは、市町が抱える課題や原因を明らかにし、解決に向けて適格なアプローチをすることこそが政治家の役目だということです。その信条は今も変わりません。
矢部房男
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