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藤沢 社会

公開日:2026.07.10

女性トイレ 国が行列解消へ舵切り 観光地・藤沢市では

  • 秋のふじさわ江の島花火大会などイベント時に混雑しがちな県所有の公衆トイレ(上)、高松市文化芸術ホールのトイレへの案内板(下・竹村雅夫市議提供)

    秋のふじさわ江の島花火大会などイベント時に混雑しがちな県所有の公衆トイレ(上)、高松市文化芸術ホールのトイレへの案内板(下・竹村雅夫市議提供)

 駅の改札横や休日の買い物、大型イベントの会場などで目にする女性用トイレ前の長蛇の行列。これまで見過ごされてきた待ち時間の不平等という問題にメスが入る。

 国土交通省は先月12日、利用者が男女同数程度の施設では「女性用の便器数を男性用(大・小便器の合計)以上にする」などの規準を示した初のガイドラインを公表した。これを受け、同19日の県議会本会議で黒岩祐治知事が、県有施設での混雑状況や要因の調査を今年度中に始めることを発表。調査結果を踏まえ、既存施設での便器の増設や改修を含めた改善策の検討を進めていく。

イベント時に混雑

 そもそもなぜ、女性トイレばかりが行列になるのか。女性用は個室がメインという設計上の格差があるほか、衣服の着脱や、近年では洋式化やスマートフォンの操作といった用足し以外の目的も重なり、利用時間が長くなる傾向にある。国の調査によると、駅の女性用便器数は男性用の約0・63倍という数字だった。女性の社会進出や観光客の動態が考慮される前の古い基準で造られたトイレが、今もそのまま使われているためだ。

 とりわけ年間を通じて多くの観光客が押し寄せる藤沢市内ではどうか。市観光協会や江の島海水浴場協同組合の関係者は「海開きの期間は仮設トイレを増設したり、海の家の中にトイレを設ける事業者もいたりするので困らない。けれど秋の花火大会などの時には県所有の女性用トイレの前などは並んでいる」と明かす。藤沢の春の風物詩「大相撲藤沢場所」や地元プロバスケットボールチームの試合などが行われる秋葉台文化体育館でのイベントでも局所的な混雑が見られる。

 市企画政策課の担当者は「現段階で市の調査などは予定していないが、国が示したガイドラインなので適用できるところは適用していくなど総合的な勘案を進めていく」とコメントした。

他自治体での対策

 しかし財政面やスペースの制約から、今あるトイレをすぐに増設するのは簡単ではない。

 高松市文化芸術ホール(香川県)は20年以上前に竣工した施設だが、女性用トイレの便器が男性用の小・大便器よりも多く設置されている。同ホールの担当者は「イベントによって来場者の性別に偏りがある時は別だが、他のホールと比べると待機列の発生は多くないのでは」と話す。また港北区民文化センター(横浜市)の男女トイレは間仕切りを動かせる設計で、混雑時は調整できる仕様。こうした男女の便器数の柔軟な変更は、国の指針でもイベント時の有効な対策として推奨。ほかにも、空き状況の可視化や目的外利用の抑制も挙げられている。

 トイレは都市の成熟度を映す鏡だ。国の号令を契機に、藤沢市が観光客にも市民にも優しいインフラの先進モデルとなれるか、今後の具体的な混雑対策に注目が集まる。

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