鎌倉市はこのほど、市民1人に5000円分の電子クーポンの配布を決めた。消費行動を活発にすることで、コロナ禍に苦しむ市内中小事業者の支援につなげたい考えだ。
鎌倉応援買い物・飲食電子商品券「縁むすびカード」と名付けられたこの事業。
10月1日時点で鎌倉市に住民登録のある人(乳幼児なども含まれる)を対象に、1人5000円分のカード型クーポンを配布するというもの。
12月上旬にまずカード型クーポンが世帯ごとにまとめて発送され、事業開始と同時に金額がチャージされるという仕組み。使用できるのは、12月15日から来年3月15日まで。
地域の小売店、飲食店、サービス業など中小店舗の支援を目的としているため、店舗面積が1千平方メートル以上の大規模商業施設やチェーン店は除外される。
取扱店舗でカードを提示すれば、取扱店舗がスマートフォンでQRコードを読み込んで決済する。スマホを持っていない事業者には、事業期間中だけ貸し出すことを予定している。
総事業費は9億9091万円。
事務費など圧縮
市内の中小店舗では新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの店舗で売り上げが前年比3〜5割減という苦境が続いている。
そのため中小店舗支援を目的とした電子クーポン事業が、7月15日と16日に開催された市議会臨時会にも提案され、この時は「1人3000円」「11月1日から来年1月31日まで」としていた。
しかし、市議会議員からは「目的や効果が明確でない」「電子クーポンでは店側も新たな機器を導入する必要があり、対応できない事業所が増えるのでは」といった制度そのものへの意見や、事務費が1・3億円と高額になっていることなどについて疑問が相次いだ。
結局、同臨時会ではクーポン事業を削除した補正予算案が可決される事態となっていた。
これを受けて市では事業の見直しを進めてきた。クーポンの額を2000円増額して支援効果のアップを狙うとともに、事務費も約2700万円圧縮した。
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