鎌倉 人物風土記
公開日:2026.08.14
初の絵本作品「ベベタンとペヨタン 星のうまれるところへ」を出版した 増山 理人(りひと)さん 鎌倉市在住 48歳
世界を見つめ、いのちを描く
○…初の絵本「ベベタンとペヨタン 星のうまれるところへ」を7月26日に出版した。「いのち・星・龍」をテーマにした作品の原点は5年前。義父を亡くした際、妻と「いのちとは何か」「人はどこへ行くのか」を語り合ったことだった。美大時代から温めていた「いつか絵本を描く」という夢に、明確なテーマが宿った瞬間だった。家族で訪れた奈良の七夕祭りで物語の構想が一気に溢れ出し、愛娘と愛猫をモデルにした幻想的なストーリーを描き上げた。
○…福井県出身。多摩美術大学でグラフィックデザインを学び、在学中からバックパッカーとして世界各地を巡った。青年海外協力隊では中米ニカラグアへ渡り、ストリートチルドレンの保護やスラムの壁画制作に従事。貧困や環境破壊といった現実を目の当たりにする中で、「アートを通して人々の心を豊かにし、平和や社会貢献につなげたい」という思いを強く抱くようになった。帰国後は企業勤務を経て、アーティスト活動とともに環境NGOで気候変動問題に取り組むなど、常に社会と向き合い続けている。
○…サーフィン好きが高じて約25年前に鎌倉へ。家庭では妻と娘、そして作中にも登場する猫と暮らす。絵本の制作時には娘にも意見を聞くなど、家族の存在が大きな支えとなった。完成の背景にも、鎌倉のデザイナーや出版のプロ、印刷会社ら地元で広がった人の縁があり、「感謝しかない」と笑顔を見せる。
○…「私たちはひとつの命なのかも」。分断の多い時代だからこそ、根源にある人のつながりを感じてほしいという願いを絵本に込めた。「子どもだけでなく、大人の心にもそっと寄り添う一冊。読んだ方の心に少しでも温かな光が灯れば」と優しくほほ笑んだ。
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