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公開日:2026.08.07

パラ水泳・田中映伍選手 ロス・パラへ「秘密兵器」 小栗さんが練習用具を製作

  • 完成した器具を手にする小栗さん(右)と田中選手=提供

    完成した器具を手にする小栗さん(右)と田中選手=提供

  • 器具を付けて泳ぐ田中選手=提供

    器具を付けて泳ぐ田中選手=提供

 2024年のパリ・パラリンピックに出場し、28年ロス大会でのメダル獲得を目指す茅ヶ崎市内在住のパラ水泳選手・田中映伍選手(22)に、「秘密兵器」が登場した。製作したのは多くのプロレスラーのコスチュームを手がけたことでも知られる小栗修さん(55)だ。

 生まれつき両腕のない田中選手は、中学生の時にパラ水泳を始めると、国内トップ選手へと成長。パリ・パラリンピックでは出場3種目全てで入賞し、50m背泳ぎと50mバタフライで自身が持つ日本記録を更新した。

 そんな田中選手が次の目標とするのは、2年後にアメリカ・ロスアンゼルスで開催されるパラリンピックでのメダル獲得だ。一方で、世界トップの中国勢と力の差があるのも事実。一層の泳力アップには、体幹を使い身体全体を連動させる必要があるという。

 そうした動きを習得するには、ビート板を使った練習が一般的だが、田中選手は両腕がないというハンデのために難しく、ふさわしい練習器具もなかった。

 そこで白羽の矢が立ったのが、幼い頃からのプロレス好きが高じて、多くのプロレスラーにコスチュームやマスク、リングシューズを提供してきたことで知られる小栗さんだった。

 昨年11月、茅ヶ崎市スポーツ推進課を通じて紹介を受けた田中選手やコーチの岸本太一さんと小栗さんによる打ち合わせが市役所で行われると「ビート盤に身体を固定し、練習できる器具のアイデアが浮かんだ」。

 水のなかで使うため、さびにくい素材を使うことや身体を固定する部分が痛くないようにウレタンを入れるなど、試行錯誤も繰り返しながら、約1カ月後には複数の試作品が完成。3つを田中選手が練習拠点としているナショナルトレーニングセンターに持参した。

 このうち特に使いやすいと感じた1つの練習器具を使って、年明けから練習に取り組んでいる田中選手。「お腹の筋肉を使った泳ぎがよりイメージしやすくなった」と手応えを感じている。

代表争いも本格化

 今年からロス・パラリンピックへ、国別の出場枠獲得競争や代表争いも本格化する。

 田中選手は5月に静岡県で行われた国際大会に出場し、10月に愛知県で開催されるアジア大会の派遣標準記録を無事にクリアした。

 アジア大会は「中国勢が多く出場し、レベルが高い」というが、目標はもちろんメダルだ。

 田中選手は「作っていただいた器具とともに、もっと実力を付けたい」と話し、小栗さんは「市民として夢を追う若者の応援ができることがうれしい。最大限の力を発揮できるようにサポートしたい」と話していた。

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