養護学校の校長も務めた飯田美枝子さん(67・秦野市沼代新町)が、このほど著書『障害のある子どもに学ぶお母さんたち』(大揚社・1400円税別)を発行した。
教員免許取得のための在学時、『この子らを世の光に』(糸賀一雄著)に出会い、障害のある子どもと寄り添う道へと進んだ。教員時代から現在まで「教えるのではなく子どもから学ぶ」との一貫した姿勢は糸賀氏から得た「光を当てるのではなく光にする」という逆転の発想に繋がっている。
著書では母親たちから報告された身辺処理の試行錯誤など具体事例を紹介。1人ひとり違う課題に対する母親たちの実践と結果を示した内容だ。子どもの課題について、理論に当てはめるのではなく「出来事に取り組んでいる内に導かれた結果が理論に適合していると思う」と記している。
「障害のある子どもを持つ母親が子どもとちゃんと向き合い、行っていることは素晴らしいことばかり。これを後世に残さなければ」と執筆の動機を話す飯田さん。教員時代、障害のある子どもを学校に行かせるまでの母親たちの家庭での苦労に直面し「教員として子から学ぶのはもちろん、母親からも学ばなければ」と思ったという。30年以上前から始めた勉強会は現在でも秦野、伊勢原などで行い、親、子、教員が一緒の集中学習会も行っている。
発行に際し、「この本はこれまでの母親たちの功績を記した、これからの母親たちのための本。子から学ぶことは沢山ある。手引きにして頑張ろうと思ってくれたら幸いです」と話した。
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