音楽と漫談が融合したピアノ芸でお笑い芸人として活躍する まとば ゆうさん 野比出身 28歳
笑い生み出すピアニスト
○…職業「ピアノ芸人」。クラシックを滑らかに奏でながら、心の叫びをメロディーに乗せて笑いを誘う一風変わった話芸が持ち味だ。グランドピアノでショパンの名曲「幻想即興曲」や「子犬のワルツ」を弾いて観客の耳を惹きつけたと思うやいなや、口をついて出るのは自虐的な台詞や世間への皮肉。ギャップと個性を武器に、これまで皆が体感したことのないお笑いの世界へ引き込んでいく。
○…著名人を多数輩出する日大芸術学部大学院出身の才媛。学生時代から作曲や演奏活動を行っていたため「音楽に携わる仕事がしたい」と大手レコード会社や音楽事務所100社へデモテープを送り続けた。しかし音楽業界の門戸は狭い。やっと掴んだチャンスは芸人枠での採用だった。予想外の展開に戸惑いもあったが、音楽ができるならと意を決して飛び込んだ。芸歴3年目。「今ではこの人生、不思議としっくりきているなって思います」
○…芸人としての年収は10万円に満たず、決して楽ではない。芸人仲間がアルバイトで生計を立てる中、「レパートリー2千曲以上」と自負するプロ並みの技術を活かしピアニストとして活躍。老人ホームへの慰問、ホテル・レストランやさいか屋内眼鏡店での生演奏など活動の幅は問わない。毎月最終日曜日に催している単独コンサートを楽しみにしてくれるファンも増えてきた。ピアノあっての芸人だからこそ演奏も手を抜く訳にはいかないのだ。
○…横須賀出身の芸人らで構成されるお笑い集団「0468スタイル」のメンバー。東京に主軸を置いて芸人活動を行う今、地元での公演は両親や友人たちの厳しくも温かい愛を実感できる場所だ。笑いがとれないことも多い。だが「面白いよ。頑張って」その一言が「ピアノ芸人」としての未知数の可能性を感じさせてくれる。「演奏で聴衆の感涙を誘うことはできても、笑いを生み出すピアニストは数少ないですから」
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