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公開日:2023.02.24
麻生消防署
化学物質想定しテロ対策
関係機関70人と合同訓練
麻生消防署(秋葉達也署長)は2月15日、小田急バス(株)新百合ヶ丘営業所駐車場で警察や区役所らと連携して、化学物質の使用を想定したテロ災害対策訓練を実施した。約70人が参加し、テロ災害時の際の連携、即応体制の強化、確認を行った。今回のような特殊災害訓練を区内のバス営業所で実施するのは今回が初めて。
訓練は、麻生消防署、麻生消防団、麻生区役所、麻生警察署、神奈川県警第一機動隊、小田急バス(株)に加え、市内で2つの消防署(臨港・宮前)にしかない宮前特殊災害対応隊が参加した。
近年、各地の公共施設等で多数の負傷者が出るテロ災害が起きていることから、今回、NBC(核・生物・化学物質)災害を想定した訓練を関係機関と合同で実施することに。麻生署管内で、公共交通機関を使った化学物質を想定した訓練を行うのは、今回が初。
訓練は、犯人が走行中のバス車内で液体をまき、乗客を刃物で切り付けて逃走、バス車内に複数の乗客が倒れているという状況で119通報から始まった。犯人役の男性が乗客役の人たちを次々と襲い、車外へ逃走。駆けつけた警察官が刺股などを用い確保した。車内でまかれた液体の影響で乗客が目の痛みを訴えているため、後から駆けつけた県警NBCテロ対応専門部隊、麻生消防署特別救助隊らに情報を共有。防護服を着た同部隊が液体の成分を調べ、同消防隊が車内に取り残された乗客を救助していった。その間、液体がサリンだったことが判明。宮前特殊災害対応隊らが救助者の除染を行いながら、トリアージし、搬送するまでを行った。
今回の訓練を振り返り、同消防署の福本照夫副署長は「各関係機関の連携、情報共有することによって、負傷者の方々の負担軽減につながる。いつ発生するかわからないテロ災害に備えて、今日の訓練が十分に発揮されるようにお願いしたい」と講評。小田急バス新百合ヶ丘営業所の秋山浩史所長は「バス会社単独ではこうした訓練はできない。ありがたい経験で今後の業務に生かしていきたい」と話した。
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