認知症の人とその家族を応援する「認知症サポーター」を養成する講座が、小学生向けの学習会・はなまる塾で2月20日に行われた。「認知症にやさしいまちあさお」の実現を目指し、個人や団体の認知症ケア推進に取り組む麻生区。子どもたちにも理解を促すため、講座が実施された。
認知症サポーターは、認知症について正しく理解し、偏見を持たずに当事者やその家族を見守る応援者のこと。自治体などが実施する養成講座の受講で、サポーターになることができる。
はなまる塾は、元教員の谷須美子さん=区内在住=が2年前から主宰するボランティアの学習会。柿生駅前町内会館で週に一度、教員経験者らが市立柿生小学校の児童を対象に学習支援を行っている。
はなまる塾で認知症サポーター養成講座を実施することは、社会福祉協議会から打診があったという。谷さんは「小学生の子どもたちにも、誰に対しても思いやりをもってほしい」と、今回受け入れた理由を話す。
当日は区役所職員と認知症地域支援推進員が同館を訪れ講座を行った。推進員の倉石知恵美さんはオリジナルの紙芝居で、「認知症の人にはどう対応するか」を解説。「おじいちゃんやおばあちゃんが何度も同じことを聞いてきても、やさしく教えてあげて」「なんか変だなと気づいたら、大人に相談してみて」などと呼び掛けた。子どもたちは倉石さんの質問に声を出して答えながら、学んでいった。
講習が終わると、サポーターの証明となるカードと、区内有志団体が手作りした「ロバ君」のストラップが子どもたちに渡された。5年の女児は「これまで認知症の人を身近に見たことがないと思っていたが、(認知症と)わからなかっただけかもしれない。困っている人がいたら助けたい」と感想を話した。
「偏見なく接して」
川崎市内の中でも最も高齢化率が高い麻生区。認知症高齢者数は2040年に1万5千人に上ると推計され、認知症になっても住みやすいまちづくりをめざす取り組みを実施している。
サポーター養成講座は過去に区内小学校でも開催。倉石さんは「子どものうちから認知症を理解し、偏見なく高齢者と接してほしい。福祉学習として広がれば」と語る。
![]() サポーターカードと「ロバ君」を受け取る児童
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