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さがみはら中央区 人物風土記

公開日:2022.03.24

相生で無償の学習支援を行う「みんなのいばしょポプケ」を立ち上げる
武田 恵さん
淵野辺本町在住 62歳

伝えたい「社会の温かさ」

 ○…相生の生活クラブ生協相模原センター3階で、4月25日から無料の学習支援の場「みんなのいばしょポプケ」を始める。学習支援だけでなく絵本などの読み聞かせ、季節ごとのイベントなども実施していく予定。「地域全体で子どもたちを見守れるように。交流の場として広がっていってほしい」と微笑む。

 ○…20年にわたり市内でピアノ教室を運営していた。指導した生徒の中に発達障害児がおり、保護者の相談に乗る機会も多かった。発達障害への社会的関心も高まりつつあり、支援体制の強化が叫ばれる中で「何か自分にできることはないか」と一念発起。50歳の時に臨床心理学を学びに大学院に入学し「発達障害を抱える子どもの保護者の葛藤」について論文を発表した。卒業後は保育士免許も取得。保育園の管理職も経験するなど、さまざまな目線で子どもや保護者を見守ってきた。

 ○…定年退職後、中学校の支援学級の介助士に従事。そこでコロナ禍で悩みを抱えている家族の声が多く耳に入ってきた。「家にいることが多くなったことで悩みを発散できず抱え込んでしまう子が多い。そんな子たちが癒される空間を作れたら」と考え、子どもたちを優しく包み込める場所の立ち上げを決意。ボランティアを募り、「ポプケ」開設に至った。

 ○…「子どもと保護者のため」とこれまで活動してきた。しかし振り返ってみると自分のためであったようにも思える。「子どもたちが大切にされている優しい社会に住みたいとずっと考えてきた。それが原動力になったんじゃないかな」と顔をほころばせる。「ポプケ」はアイヌ語で「あたたかい」の意。来てくれた子どもたちに勉強や遊びを通じて伝えたい。「社会はもっと温かいものなんだよ」と。

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