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公開日:2026.05.15

特別市構想 県内16市が反対で結束 3政令市は「緊急声明」で反論

  • 黒岩知事に要望文を手渡す内野海老名市長(提供)、この日は9市長が県庁に集まった

    黒岩知事に要望文を手渡す内野海老名市長(提供)、この日は9市長が県庁に集まった

 神奈川県内の3政令指定都市(横浜市、川崎市、相模原市)を除く全16市の市長が5月12日、黒岩祐治知事に対し、「特別市」の法制化に反対し、阻止に向けた対応を求める要望文を連名で提出した。要望書は、海老名市の内野優市長らによって黒岩知事に手渡された。

 特別市は、政令市が道府県から独立して権限や税財源を一元化する新たな大都市制度の構想で、国において法制化の検討が続いている。

 16市長の要望書では、県人口の約3分の2を占める3政令市が特別市として県から分離した場合、県の調整機能や財政基盤が著しく弱体化し、県としての機能が成り立たなくなる恐れがあるとしている。

 これまで県が一体的に担ってきた医療、教育、広域的なインフラ整備、水源環境の保全といった住民サービスが分断される。残された市町村ではこれらの行政サービスの維持・確保が困難になり、災害対応や警察事務などへの悪影響が生じる、としている。

全14町村も

 これに先立ち4月14日には、県内全14町村からも同様に、法制化に反対する要望書が提出されている。今回の16市長からの要望により、3政令市を除く神奈川県内の全30市町村が、特別市構想に反対する県と足並みをそろえる形となった。

県の見解

 県は2022年3月に、「特別自治市構想に対する神奈川県の見解」を公表した。そのなかで「特別市制度については、様々な課題・懸念があり、住民目線から見て法制度化は妥当でない」との考えを示している。

 さらに、「県から政令市に財源が集中することで約680億円の財源不足が生じ、医療費助成や私立学校経常費補助などの行政サービスが維持できなくなる恐れがある」と指摘している。ここで示された680億円は、県一般会計の政策的経費のおよそ3分の1に相当する。

 その一方で、同年5月に開催された県知事と政令市3市長による四首長懇談会では、県と政令市の課題を共有し住民目線で解決を図るため、知事と3市長とのトップレベルでの協議も継続していく方針を確認していた。

政令市側の主張

 横浜市、川崎市、相模原市の3政令市は5月13日、特別市制度に関する緊急声明を共同で発表した。町村会と16市長が県に寄せた要望について、「現行の都市制度を前提としたもの」と指摘。その上で、「県の主張は制度の理解をミスリードし、分断を助長しかねない」と批判している。

 「法制化は住民自らが選択できる余地を広げる」とも訴え、法制化を一律に否定することに疑問を呈している。

ニュースの背景

 神奈川県と政令市の対立が表面化した背景には、国での法制化に向けた動きの加速がある。

 現在開かれている国の「第34次地方制度調査会」(2026年2月から)では、5月13日に開かれた専門小委員会で「特別市」の意義や広域事務・財政への影響など、制度化に向けた本格的な審議が開始された。

 政令市側が同調査会でヒアリングを受けるなど国への働きかけを強める一方、県や周辺市町村は議論の進展に危機感を抱いており、実現と阻止に向けた双方の動きが急速に熱を帯びたといえる。

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