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横須賀版 公開:2017年10月20日 エリアトップへ

県立保健福祉大学の初代学長で、50年間にわたり福祉の現場と教育に尽力したパイオニア 阿部 志郎さん 港ヶ丘在住 91歳

公開:2017年10月20日

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福祉に捧げた半生

 ○…齢90歳を超えてもなお、自身の「福祉の哲学」を訴え続ける。「ボランティアをしないと恥ずかしいと思うような文化、社会を作りたい」―。そう力強く言い放つ姿に、講演を聞いていた人たち全員が釘づけだった。

 ○…福祉の道を志すことを決めたのは大学卒業を控えた夏休み。尊敬する神父・岩下壮一が最後を迎えた場所を一目見たいと、御殿場にあるハンセン病の療養所を見学に訪れた。そこで、耳も鼻も削げ落ちてしまった患者の包帯を微笑みながら取り替える看護師の姿を見て「美しいと思った」。一人の幸せが確保されることなくして、社会の幸福はあり得ない―。名も知らない一人の看護師から身を持って教えられた。その姿を見た20秒後には「この人の後をついていこう」と決意していたという。

 ○…人とのつながりを何より大切にする。大学卒業後、アメリカに留学。そこで当時の基督教社会館の館長・トムソンと知り合い横須賀に誘われた。「偶然の出会いがなければ、今の自分はない」。31歳で同館を任され、戦後日本の福祉をけん引。その後、学長を務めた県立福祉大を80歳で退いた。忙しさから新聞を読む暇さえなかったが、今では毎日目を通している。紙面の中で知り合いの記事を見つけると切り取って送るという。「おせっかいかもしれないが、やらずにはいられない」。そう話す表情からは、人柄の良さがにじみ出る。

 ○…メモなど一切見ることなく1時間ノンストップで話し続ける。そんな元気の秘訣は、元旦から毎朝欠かさず行っているラジオ体操にあるという。「近所の人たちが集まってみんなで顔を合わせてあいさつをする。そのコミュニケーションが大切」。田浦の好きなところを聞くと「海、山。そして何より人の温かさ」。横須賀の地で福祉に捧げた50年間を「全く後悔がない。本当に楽しかったから」と笑顔で振り返った。

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