横須賀・三浦 スポーツ
公開日:2018.07.06
30分だけの甲子園
辻悠介さん(横浜高卒 35歳)
中学時代に所属していたシニアリーグでは、強打者として一目を置かれる存在だった。甲子園常連の名門高に声を掛けられ有頂天になっていた。「自分のバッテイング技術ならプロ野球選手になることも夢じゃない」─。本気でそう思い込んでいた。
そんな浅はかな考えは入学してすぐに打ち砕かれた。同学年だけで部員の数は120人を超えていた。グラウンドのスペースは限られており、1年生はキャッチボールすらまともにできない。基礎体力作りの名のもとにひたすら走る日々。海の公園で砂まみれになりながら汗を流した。「ふるいにかけられているのはすぐに分かった。這い上がるためには耐えるしかない」。2年生に進級すると同期は30人を割っていた。
3年間で背番号をつけて公式戦に出場する機会は得られなかったが、大会前の公式練習で甲子園球場に立てたことが最高の思い出だという。「気温35度に上ったグラウンド。土の感触に心が躍った。30分という短い時間だったが忘れることができない」
* * *
現在は家業である生花園芸店を営んでいる。2店あるうちの一つは、親から譲り受けた店舗を運営しながら、フラワー装飾技能士の資格を使って店舗やオフィス空間を彩る提案を行っている。
横浜高校野球部の平田徹監督は同級生でかつてのチームメイト。名将として知られた渡辺元智前監督から重い伝統を引き継いだ。
「それもひとつの事業承継で立場は自分と同じ。プレッシャーを感じながらも会社を(チームを)前に、前に進めていかなければならない。勝手にライバル心を燃やしている」
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