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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2021.02.19

浄楽寺副住職で「大地の再生」プロジェクトに取り組む
土川 憲弥(けんみ)さん
芦名在住 35歳

自然共生広がる発端に

 ○…郵便の父・前島密の菩提寺として知られる浄楽寺で、寺本来の存在意義を原点に立ち返り、地元住民らと共に持続可能な共生環境を作っていくプロジェクトに乗り出した。「皆が自然環境の変化や保護の大切さに気付き始めた今が始め時。五感で自然を感じながら関わり方を考えるこの”勉強会”を、一人ひとりが身の周りでも環境改善を実践できるきっかけにしてもらえれば」

 ○…「居心地が良く、憩える地域の”ハブ”として皆がもっと気軽に集える場所へ再び生まれ変わらせたい」。それが夢だ。取り組んでいる「大地の再生」では、人間が変えてしまった自然環境で循環しなくなった大地の水や空気を正常に戻すため、土木作業を中心に行っている。参加者は県外からも多数。「もっと地元にも広げなければならないんですけどね」とまだ課題もありそうだ。

 ○…柔和で落ち着いた表情からは想像もできないが、「以前は金髪にピアスを付け、とがっていた」と笑う。横須賀へやってきたのも仏門に入ったのも実は10年ほど前。宮城県に生まれ、「海の家を経営したい」とまずは21歳で逗子へ。その後も複数の飲食店を立ち上げ、人材エージェントも手掛けるなど、根っからの起業家気質。そこで人間関係など多くの苦労を経験した。「人によって幸せの感じ方が違うと痛感。そんな時に仏教に触れて感動し、気付けば今」という。

 ○…現在は住職である義理の母と二人三脚で寺を切り盛り。「こうした新しいことを始められるのは住職の理解あってこそ」と感謝。今年は他にも新たなプロジェクトを計画中。「忙しいが毎日が楽しいので苦にならない。周りと一緒にじっくりと取り組んでいきたい」と自身も幸せな生き方を模索する。

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