戻る

横須賀・三浦 スポーツ

公開日:2024.07.12

一勝に青春を捧ぐ
田沼宏友さん(久里浜高卒 44歳)

  • 久里浜高校時代の田沼さん

    久里浜高校時代の田沼さん

  • 現在は大船高校で指導者に

    現在は大船高校で指導者に

 ほぼ365日、野球漬けだった。旧久里浜高校で白球を追った高校時代。1年の秋から試合に出場し、遊撃手として守りの要を担った。

 グラウンドでは懸命にプレーに向き合った。実力もある方だったと思う。「県内でも屈指の二遊間」とは当時の指揮官の評だ。だが、甘かった。何より自分自身に。

 1年の冬、厳しい練習に堪えかね、グラウンドから逃げ出した。野球と決別する覚悟があるわけではなかった。仲間は何度も「戻ってこい」と言ってくれる。冬練を終えた翌春、部に戻った。

 野球の神様は時に冷酷だ。一度そっぽを向くとそう簡単にはほほ笑まない。戻ってからというもの思うように感覚が戻らず、肩を痛めたことも重なりプレーの精彩を欠くようになっていた。

 3年最後の夏、2回戦で当たったのは「平成の怪物」松坂大輔を擁する横浜高校。打者が放った三遊間の凡打を強打と思い込み、飛び込んで失策したのが苦い記憶だ。チームは5回コールドで敗れ、それが高校野球の終止符になった。

 グラウンドに戻ってきたのは20代半ば。母校の恩師に「一緒に選手の面倒をみないか」と声を掛けられ、今度は指導者としてユニフォームに袖を通した。

 なぜ厳しい練習を課されたのか。実力が勝っても背番号が良いとは限らないのか。選手時代には分からなかったことが身に染みて理解できた。今さらながら、本気になることの意味も痛感した。

*  *  *

 「一勝のために青春を捧ぐ」。前時代的な発想かもしれないが、野球に真摯に向き合い、心血を注ぐことが後の人生の財産になる。今はそう考えている。

 元お笑い芸人という異色の経歴。大船高校(鎌倉市)に着任してから始めた、選手がコンビを組んで漫才ネタを披露する「O-1」は今や学校の名物に。「すべり慣れて、折れない心を養ってもらう」のが狙いだ。

横須賀・三浦 人気記事ランキング

  • 前日
  • 1週間
  • 1か月

横須賀・三浦 人気記事ランキング

  • 前日
  • 1週間
  • 1か月

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

横須賀・三浦 ローカルニュースの新着記事

横須賀・三浦 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS