横須賀・三浦 社会
公開日:2026.08.07
横須賀市動物愛護センター 「命の大切さ」と「責任」学ぶ 小学生が仕事体験
横須賀市浦郷町の動物愛護センターで7月31日、動物とのふれあいを通じて命の大切さを理解する体験教室が開かれた。当日は市内在住の小学4年から6年生の9人の児童が参加し、保護された犬や猫がいる部屋を巡り、獣医師資格を持つ職員の手ほどきを受けながら健康観察などを行った。同センターの役割や実際に行われている仕事を児童らに伝える活動。2017年から継続して実施されている。
参加者は同センターの施設内を見学した後に職員の指導のもと、獣医師の仕事を体験。保護されている犬の体に聴診器を当てて心拍を確認すると、「人間と同じ心臓の音がした」と感心の声が上がった。個体識別や迷子防止に役立つマイクロチップの読み取り作業などにも挑戦した。
野比小学校4年の佐山美優さんは、「動物を家に迎えたら、最期まで大切な家族として責任をもって愛したい」と笑顔を見せた。
「ただ『可愛い』という気持ちだけでなく、命を預かる責任が伴うことを実感してほしい」と同センターの高義浩和所長。ペットを取り巻く環境では、飼育放棄や多頭飼育の現状があり、こうした啓発活動を積み重ねることで「悲しい思いをする動物を1頭でも減らしたい」と語った。
飼い主の意識向上もあり、同センターでの保護数は近年減少傾向にあるという。2013年から年間の譲渡数が殺処分数を上回り、23年からは犬、猫ともに殺処分数がゼロを記録。飼い主のいない猫を管理する「地域猫活動」が広がり、最期まで愛情をもって飼育する「終生飼養(しゅうせいしよう)」の考え方が一般化したことで、人と動物が共に心地よく暮らせる社会の実現へ近づいている。
同センターでは現在、成犬が11頭、成猫が14頭、子猫が7頭保護されている。飼い主が不明の状態で保護された動物は、まず1週間かけて元の家族を探し、その後、不妊手術をした上で新しい飼い主を探す。譲渡の機会を増やすことが、命を救い、収容の好循環や殺処分ゼロの維持につながる。
一方で、飼い主の高齢化に伴う新たな問題も浮上している。 横須賀市では約8世帯に1世帯が動物を家族として迎えているが、高義所長は「独り身の寂しさからペットを安易に迎えてしまう現状がある」と危惧する。加齢に伴う体力の衰えで散歩や日常のケアができなくなったり、病気療養で入院したりして飼育の継続が困難になり、センターへ保護を依頼するケースが増えているという。こうしたことから高義所長は、最期まで責任を持つための将来計画の必要性を訴えている。
秋に毎年開催している 「動物愛護センター開放Day」のイベントでも、「命の重さ」と「飼い主の責任」に関する啓発活動に取り組む。動物を家族として迎えている人や今後迎えることを検討している人に、「終生飼養」の心構えを伝える場としていく考えだ。「1頭でも多くの動物が幸せな一生を過ごせるように活動していきたい」と高義所長は話している。
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