三浦藤沢信用金庫からかながわ信用金庫へ─。地域金融機関として新たな船出の舵取りを行う平松廣司理事長に、金庫の事業戦略と三浦半島経済のことしの見通しなどを聞いた。
──金庫の業績はどうでしょう。
「昨年度は期首対比で預金が300億円、貸出は92億円伸長。県下8信金で一番の伸び率を記録しました。今年度も同水準を維持しており、きわめて順調です。年金受給口座開設に注力してきたことはひとつの成果です。加えて、名称変更のアナウンスが各方面で好意的に受け止められました。県央地区(綾瀬市)への新店開設も含め、金庫の業容拡大に期待感を示してくれています。名称変更に伴う経費は少なくない負担ですが、将来を見据えた戦略的な先行投資だと考えています」
──地域経済の現状をどう見ていますか?
「アベノミクスの経済政策で一部の大企業は温まり出していますが、三浦半島のすべての中小企業を潤すまでには至っていません。大企業不在の状況が経済的な還流を滞らせている要因のひとつと考えます。少子高齢化、事業者数の減少なども深刻です。景気回復を実感できるまでには、時間差があるのでしょう」
──停滞ムードの横須賀中央エリアはどうでしょう?
「西友跡地のタワーマンションを象徴に、住居と商業施設が同居する新しい街に変貌をとげる過渡期にあります。こうした中で若手商店主がグループを組織し、沈滞ムードを振り払う努力をしています。これには金庫としても協力を惜しみません。資金面でのお手伝いだけでなく、知恵やアイデアという面でもしっかり後押ししていく構えです」
──昨年は東京地方税理士会とのパートナー契約がありました。
「一昨年は双方の顧客のニーズを引き合わせるビジネスマッチングを推進し、昨年はこれをさらに深化させて、経営改善が必要な中小企業を支援する仕組みを確立しました。金融、財務、税関連と多面的な角度から
実効性のある対策を提案していきます。また、相談業務の充実化をめざした取り組みとして今年は相談会を開催する計画です」
──1月6日にかながわ信用金庫が誕生します。シンボルマークに込めた思いを聞かせて下さい。
「デザインの一部に三浦藤沢信金を表現する『mf』を配置しています。原点を絶対に忘れない、というメッセージを刻んでいます」
──積極的に取り組んでいる城ヶ島の観光活性についてはいかがでしょう?
「横浜市大と産学連携で進めた研究成果をシンポジウム形式で発表することを考えています。三浦市の経済浮揚の切り札は観光です。政策提言を含め、地元を盛り上げる運動を巻き起こしたいと思っています」
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