県政報告ー上ー 保育ニーズの受け皿の確保と質の向上を 神奈川県議会議員 松長泰幸
先月21日の神奈川県議会本会議において、初質問の機会を与えられ、地元藤沢市に関わる問題を中心に7項目について質問・要望を行い、知事・担当局長から回答を得ましたので報告します。なお新型コロナウイルスの感染が拡大傾向です。状況を油断なく観察把握し、行政としてなすべきことを的確・迅速に実施すべく全力を尽くします。
松長―幼児期に良質の教育を受けることで協調性、頑張る力、自己抑制力などいわゆる「非認知的能力」が培われ、人格形成に大きな影響を与えると言われています。そうした観点からの質の高い保育の受け皿確保・質の向上が求められると思いますが、県としてどのように取り組みますか。
黒岩知事―県内の保育待機児童は昨年4月1日時点で750人であり、前年より減少したとはいえ、依然として多くの待機児童がいる状況です。県では保育所・認定こども園・小規模保育事業などの整備を市町村と協力して進め、令和2年度に県全体で6900人の定員増を計画しています。加えて、幼稚園での預かり保育や認可外保育施設の認可保育所への移行など、保育所の新設に限らない様々な受け皿の確保を図り、待機児童の減少を目指します。
一方、保育の質向上、人材(保育士)のスキルアップを図ることが重要との観点から、全国試験に加えて県独自地域限定保育士試験を実施しており、今年度は昨年度の2・4倍の668人が合格しております。また、保育指針の改定をうけて、中堅保育士を対象とした保育エキスパート等研修の乳児保育・幼児教育分野において、非認知的能力を育むための具体的な保育の方法を学ぶ研修を実施するなど、保育人材のスキルアップに努めているところです。今後は保育の質を高めるべく先進的な取り組みや好事例について、全市町村が参加する保育対策協議会で情報共有を実施して参ります。県としては、保育の受け皿の確保と質の向上を図り、子供たちが健やかに成長できるよう取り組む所存です。
松長―幼児期の教育の大切さは、多くの研究が証明しているところです。たとえば、ペリー幼稚園のプロジェクトであったり、ニュージーランドのダニーデンで生まれた子供たちの調査です。それらによれば、従来の教育で重視されてきたIQなど目に見える認知能力よりも、むしろ目に見えない、数値化できない非認知能力を育てることが子供たちの将来を幸せなものにするのであります。非認知能力は幼児期にこそ最も育まれることに思いを致し、効果的な教育・保育に取り組まれるよう要望します。
角膜移植の普及啓発
松長-角膜の移植によって視力を取り戻そうと願う人にとって、角膜提供者が増えることは極めて大事です。しかし、わが国の意識・関心は低く、外国に依存する傾向にあります。県民の理解を深めるための施策が必要だと思います。どのように認識していますか。
黒岩知事-角膜移植について、提供者やその家族に理解していただくことは極めて大事なことだと考えております。これまでも、次のような啓発活動を行っています。【1】県ホームページによる広報のほか、「かながわ健康財団」や「日本臓器移植ネットワーク」などと連携しての様々な普及啓発活動の展開。【2】10月の臓器移植推進月間に、開港記念会館などを移植医療シンボルカラー(グリーン)でライトアップする。【3】成人式など地域のイベントにおける「臓器提供意思表示カード」の配布。医師による臓器提供可能者の家族への移植医療についての説明など。今後も、角膜移植について普及啓発が進むような環境整備に努めたいと考えています。
松長-わが国ではドネーション(寄付・提供)文化が、欧米などに比べて成熟していません。角膜以外の臓器に関しても外国で費用をかけ移植するのではなく、国内自給できるよう啓発活動を継続されるよう要望します。
松長様
神奈川県藤沢市辻堂3-6-3
TEL:0466-34-2639
taishin@opal.dti.ne.jp
能登地震に学べるか。3月29日 |
|
|
|
|
|