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秦野 社会

公開日:2026.10.23

【デスクレポート】秦野市OMOTANコイン 育てるか、否か

 ▼秦野市電子地域通貨OMOTANコインの事業評価時期が近付いている。市は、ネットショッピングの普及や近隣への大型商業施設進出などによる市内商業力の低下、資金の流出等を防ぐため、2024年12月からOMOTANコインを導入。キャンペーンを通じて物価高騰対策や地域経済の活性化に活用している。導入当初から8月末までのアプリダウンロード数は約4万5千件で、月平均アクティブユーザー数は8697人。月平均決算額は約1億1500万円に上る。市主導のポイント還元キャンペーンに加え、各商店会でもこれまで紙ベースで行っていた企画をアプリに移行するなど、一定の成果を上げている。

 ▼一方で課題もある。「秦野市電子地域通貨事業基本計画」で定めた決済額やユーザー数、参加店舗数等の年度目標はほぼ達成しているものの、イベントがない期間の月平均アクティブユーザー数は3234人、月平均決算額は約2800万円にとどまる。基本計画で定めた計画全体の見直しは27年度。OMOTANコイン存続には市民の”日常的な利用”の定着が不可欠であり、市は今年度、上方修正した努力目標を掲げた。

 ▼事業評価を来年度に控える市は、キャッシュレス決済で利用される傾向が強い「銀行口座連携」の登録者増のためのキャンペーンを、現在実施している。これまで構築してきた仕組みを定着させ、日常利用を促進させるのが狙いだ。さらに健康ポイント事業、園児の声を決済音にする取り組みを開始したほか、今後は他決済サービスとの差別化を図る市への寄附機能の追加も検討中だ。

 ▼同事業の準備段階から商業者として関わる市内商店会会長は「OMOTANコインは、商店とお客さんがつながるツール。秦野愛を育み、地域の特性を生かした“使って楽しい”仕組みができれば、今後も発展できるのでは」と話す。登録店舗数は664店舗まで拡大した。単なる決済ツールにとどまらず、新たな費用をかけずに市独自のキャンペーンを迅速に展開できるインフラとしての側面も大きい。決済額の規模だけで他の決済サービスと比較するのではなく“秦野愛の醸成”の観点も評価に入れる必要があるだろう。市は「一人一人の『秦野を応援したい』という思いを地域の力に変える仕組み」と呼びかける。

 ▼これまで培ってきた市独自のデジタルインフラを今後も育てていくのか、幕引きとするのか。今まさに市民一人一人が考え、市全体でその価値と行く末を決める時期に来ている。

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