Bリーグ1部・川崎ブレイブサンダースの代表取締役に就任した
川崎渉さん
川崎区在勤　39歳

スポーツで街を一つに

　○…２０１８年、東芝から川崎ブレイブサンダースを引き継いだＤｅＮＡ。５年間けん引してきた元沢伸夫氏が28年10月に誕生する新アリーナプロジェクトに向けて会長職に就き、その後釜を任された。「チーム創設から支えてきた方々の思いを受け継ぎ、サンダースファミリーと一緒になって、より愛され、誇りに思えるクラブに発展させたい」。２度の地区優勝、天皇杯連覇がある一方、まだ達成していない悲願のＢリーグ制覇に向け思いを強くする。

　○…大学卒業後、コンサルタント会社での勤務を経て12年にＤｅＮＡに入社。新規事業を立ち上げた後、ステップアップを目指しＪリーグの東京ヴェルディ、名古屋グランパス、ＦＣ東京でマーケティング部門を担当した。「スポーツを愛する人の熱量が心を動かす。一人の人生を変えるほどの力が感じられた」。今年に入ってＤｅＮＡに戻り、ブレイブサンダースでその経験を生かす。

　○…小学生のときに４歳上の兄の影響で始めたサッカー。高校の部活でキャプテンになり、プレーよりもチームをマネジメントする重要性を学んだ。「本気で勝つことを目指す者もいれば、楽しさだけを求める者もいた。いろいろな考えのメンバーをチームとして一つにまとめる難しさ。自分の仕事の原点がここにあったと思う」

　○…サッカーをしながら、息抜きにＮＢＡのバスケットボールの試合を見ることが好きだった。ブレイブサンダースに関わったことにも不思議な縁を感じる。スポーツは世界に通じる共通言語であり、言葉がなくても誰とでも通じ合えるアイテムだと信じている。「スポーツの力で川崎という街を一つにし、人々の人生を豊かにしたい」。クールな見た目と違い、秘めたる思いは熱い。