黒川東芋堀会の代表を務める 越畑 幸作さん 黒川在住 73歳
自他ともに楽しく農業
○…「収穫する楽しさを体験してもらえれば」。黒川地区で近隣農家と結成した「黒川東芋掘会」の代表を務める。サツマイモ堀りなどが体験できると保育園、幼稚園の園児のほか、都内や横浜などからも訪れる人気のスポット。父の代から始め、30年以上。同地区の秋の風物詩となっている。
○…代々続く農家の長男として生まれる。「おとなしい子だったよ」と振り返る。当時はまだ民家も少なく、「セミとりもよくしたよ。その前にクモの巣を取りに行ってね」と懐かしむ。クモの巣を棒の先に絡めてつけて、その粘着力を使ってセミをつかまえる。「今は昔のような大きな巣を張るクモはいなくなったね」。高校を卒業し就職。公務員となり、地方での単身赴任も経験した。30歳ごろ、農地造成が行われ、実家の農地も広がった。会社を辞め、農業を継ごうかと迷ったが、「せっかく就職したし、最後まで勤め上げないと」と仕事を続けた。
○…定年退職後、本格的に畑仕事を始めた。ちょうどそのころ、JAの直売所「セレサモス」が近隣に出店した。「自分が作った野菜を嬉しそうに買ってくれるから、作り甲斐があるよね」と笑う。根菜類や果物など今では年間50種類以上を出荷している。「丁寧に育てて、うまく成長してくれると嬉しいよ。庭で花を育てるのと一緒」
○…仕事をしているころはゴルフ、囲碁、将棋などいろいろな趣味を楽しんでいたが、今は畑仕事が中心。「定年したとき、あと20年農作業ができればと思っていたが、先のことは分からないからね。農業を趣味と考えて、楽しんでやりたいね」という。地元神社の総代も務める。「駅2つに挟まれながら、自然がたくさん残っている。こんないい場所はないね」
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