声楽家で、9月21日に麻生警察署一日警察署長を務めた
丸尾有香さん
区内在住　37歳

大好きな舞台で世界へ

　○…新百合ヶ丘駅前で行われた秋の全国交通安全運動の街頭キャンペーン。初の一日警察署長として、啓発グッズを配布し、歌で区民に交通安全を呼び掛けた。昭和音楽大学在学時から慣れ親しんだ麻生区。「温かく、思い出深いこのまちで、こういう機会をもらえてうれしかった。少しでもまちづくりに貢献できたら」と笑顔を見せる。

　○…長崎県出身で、水泳やバスケットボールに熱中していた少女時代。小学校の合唱団で声を褒められたことが音楽の原点だ。中学で合唱部に入り、高校で本格的にイタリア歌曲を習い始めた。「教わった先生たちとの出会いがなければ今はない。出会いと運が大きかった」と懐かしむ。

　○…大学では全額補助を受ける給費生としてオペラを学んだ。生声と演技、照明、セット、衣装。すべてが備わる総合芸術のオペラの魅力に惹かれていった。卒業後、藤原歌劇団の準団員となるも、新百合ヶ丘駅前のパン屋などで働きながらオーディションを受け続けた。厳しい生活に音楽を辞めようと思ったことも。それでも続けてこれたのは、応援してくれる人たちの存在があったからだ。「地元から地方公演に来てくれる方たちもいる。その人たちのためにも頑張ろうと思って」。その後、正劇団員として公演への出演を重ね、欧州で舞台に立つほか、テレビ出演など活躍の場を広げていった。

　○…シュノーケリングが趣味で、囲碁はアマチュア２段を持つほどの腕前。故郷の長崎の海と、麻生の檜山公園、弘法の松公園がお気入り。ジャズやポピュラーなどジャンルを超えた音楽への挑戦も視野に入れる。「舞台が大好きなので、続けられるうちは続けたいですね」。持ち前の明るさと前向きな姿勢で、世界の舞台を目指す。