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横須賀・三浦 トップニュース文化

公開日:2024.10.04

くろば亭山田さん
初の木彫展、独学の境地
きょうから三浦市内2カ所で

  • 巨大な流木から菩薩像を制作する山田さん。粘土細工や絵画など多彩な作品を展示する(©橋本忠)

 三浦市三崎にあるマグロ料理専門店「くろば亭」を営む山田芳央さん(76)=人物風土記で紹介=がきょう10月4日(金)から市内2カ所のギャラリーを会場に初の個展「みえてきた!」を開催する。長年独学で学んできた彫刻作品を中心に、陶芸や書、ペン画など多彩な表現方法による約千点を展示。主催する実行委員会では「アーティストとしての顔も持つ親方の真髄に触れてみて」と来場を呼び掛けている。

 流木や端材からかたどられた観音像や不動明王。コミカルな表情を浮かべる粘土細工のシャーマンや魚。一つとして同じものはなく、それぞれが異彩な存在感を放つ。

 幼少から絵や工作が好きで、趣味で嗜んできたという山田さん。40年ほど前、流木や朽ちた木を使った作品を残した江戸時代の仏師、円空の作品に感銘を受け、以来独学で腕を磨いてきた。

 これまで料理人として腕を振る傍ら、10カ国を巡り、陶仏や石仏、木仏、仏教曼荼羅などを研究。仕事の合間をぬって創作に没頭してきた。三崎の複合施設「うらり」1階に展示された木彫作品「曼陀羅ぼっち」は縦1・2m、横2・8m、重さ800kgにもなる大作で、2018年に県内最大規模の公募展「県美術展」でも入選した。

 今回の作品展は、山田さんと長年親交のあるカメラマンの橋本忠さんや市内でギャラリーを運営する吉井大輝さん、伊原夕紀子さんらが実行委員会形式で企画。これまで作りためてきた作品に新作を加え、市内2会場での同時開催が実現した。

 作品は流木の木目や文様、亀裂など本来の風合いを生かして造形を浮かび上がらせる。山田さんは「持ち味を生かすのは料理も作品づくりも通じる。作品からエネルギーを感じてもらえたら」と矜持をにじませた。

 10月28日(月)まで。会場は「HANPAもろいそ」(諸磯1879の3)と「イハリウムコアジロギャラリー」(小網代1240の1)。開館は午前10時から午後6時。問い合わせは伊原さん【携帯電話】080・5002・7759、吉井さん【メール】taiki@onesplace.or.jp。

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