「疲労感や倦怠感がある」「抜け毛がひどくなった」-。新型コロナウイルス感染症に罹患し、治療・療養終了後もこうした一部の症状が長引く”コロナ後遺症”。これまで多くの”コロナ後遺症”患者を診察してきた中島内科クリニック（横須賀市米が浜通）の渡辺隆史医師に、有効的な治療法などについて話を聞いた。

　新型コロナの感染法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同じ５類に移行。感染者数も爆発的に急増していた一時期と比べると落ち着きを見せているが、「療養終了後も不調を訴える人はいまだ多い」と渡辺医師。

最近は、嗅覚障害などの後遺症は少なくなった一方で、倦怠感や長引く咳、集中力低下、睡眠障害といった症状が顕著となっている。起き上がれないほどの倦怠感によって、就労困難となる患者も多いという。

　これらは抑うつによる心身症の合併、感染以前から存在した疾患の顕在化または悪化したものなど多種多様な要素が絡み合った複合的な病態で、現時点で単一の原因は特定されていないという。

　治療は症状を１つひとつ改善させていくことが重要で「理学療法、認知療法、そして漢方薬による総合的なアプローチが望ましい」と説明。「これまでも糖尿病や高血圧、腎機能障害の通院患者などに持病だけでは説明できない体調不良が残存するケースで、漢方薬が奏効する例もあった」

　また、一定の割合で甲状腺機能異常や貧血、肝機能異常などが見つかることもあるため、必要に応じた精査も肝要としている。

　「”後遺症外来”はおもに分院のよこすか甲状腺内科クリニックで受けていますが、まずは一度ご相談ください」

■横須賀市米が浜通１の17ＹＭビル２階（横須賀中央駅徒歩７分）／【電話】０４６・８２９・１０９１

中島内科クリニック

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