波に、競技に、試合に飢えていた。昨年はコロナ禍で大会が相次いで中止となり、ようやく日本サーフィン連盟が主催するジュニアオープンに出場できたのが11月中旬。全国からトップジュニア選手が集結する中、渇きを潤すかのように波間に飛び込んだ。
風は海から陸に向かうオンショア。海水面は荒れ、決してコンディションは良くなかったが「湘南の海と似ている」。ホームで鍛えられた感覚を生かし、スコアを伸ばしていった。結果は4位入賞(16歳以下)。プロ資格を持つ選手もいる中、存在感を見せつけた。
サーフィンを始めたのは、藤沢に越してきた小学2年生のとき。野球やサッカーには興味を示さなかったが「同じ場所でも毎日波が違って、思い通りに技が決まると最高に楽しい」。そんな競技の魅力にハマった。以来、波さえあれば浜へ出かけ腕を磨く日々だ。
一昨年には鵠沼海岸で行われたWSL JAPAN主催のU-12クラスで優勝。同年の日本サーフィン連盟が選抜する強化指定選手にも指定された。
父も母もよき理解者。毎日海に入る前に課題を話し合い、それを日々の練習に落とし込んでいく。家族の会話はサーフィン一色だ。
そんな家族の合言葉がある。「藤沢から世界へ」。湘南の海でサーフィンの楽しさを覚え、育ててもらった。「だからここから世界を目指したい」。今年の目標はジュニアオープンの頂点に立ち、世界選手権の切符を手にすること。夢の序章はすでに始まっている。
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