藤沢 文化
公開日:2026.02.27
わたしと市民会館
舞台裏から57年、共に引退
音響と管理支えた天野さん
1968年の開館以来、半世紀以上にわたって藤沢市の文化拠点の役割を担ってきた藤沢市民会館が、建替えに向けた再整備のため今年3月末で休館に入る。開館当初から舞台音響や施設管理に携わってきた電気技術職の天野勇さん(81歳/藤沢市民会館サービス・センター(株))は、通算57年間におよぶ勤務を終えようとしている。「お客さんに喜ばれるのが一番」。そう語る天野さんの歩みは、同館が刻んできた市民交流の歴史そのものだ。
横浜市出身の天野さんは、21歳で神奈川県職員として採用され、県立音楽堂へ配属となった。その後、藤沢市民会館の開館と同時に、縁あって同社に転職。当時は最新鋭の音響設備が導入されており、音響として数々のコンサートや演劇、市民オペラを陰で支えた。
思い出深いのは、舞台裏で目にした一流アーティストたちの姿だ。美空ひばりさんや北島三郎さん、ダークダックスといった昭和を代表するスターたちが来館した際、プロとしての峻烈なこだわりを間近で見てきた。「舞台基礎の位置で変わる反響を気にして、ピアノの位置を細かく調整するピアニストもいた。プロの凄さには圧倒された」と振り返る。一方で、アニメ映画の上映中にフィルムの巻順を間違えるなど、裏方ならではの肝を冷やす失敗談も今では懐かしい記憶だ。
長年家族と共に高倉に暮らしていた天野さん。仕事柄、土日は休めず子どもの運動会に参加することはできなかったという。それでも発表会などでは、音響室からそっと子どもたちに声援を送ったとか。定年後は音響担当は引退し、第3種電気主任技術者の資格を活かして施設管理に従事。5年前からは千葉県から片道約3時間をかけ、月に6日ほど出勤している。
休館が間近に迫り、「寂しさはあるが、新しいホールも市民が使いやすく、多ジャンルの文化が生まれる場所になってほしい」と、次世代への期待を寄せる。長年裏方として舞台を支え続けてきた技術者は、感謝の思いと共に、その職務を全うしようとしている。
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