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藤沢 社会

公開日:2026.06.05

最後まで自分らしく生きるには 安西院長が語る在宅医療

  • 最後まで自分らしく生きるには (写真1)

 市民公開講座「在宅医療って何するの?どうするの?」が先月31日、藤沢市役所で開かれた。市地域医療推進課と市在宅医療支援センターの共催。市民ら65人が参加し、「第3の医療」と呼ばれる在宅医療の今について耳を傾けた。

 講師を務めたのは、湘南藤沢心臓血管クリニック(湘南台)の安西兼丈院長=写真。自身が在宅医療に関わるようになった背景には、実の父親が「進行性核上性麻痺」という難病を発病した経験があり、講演ではケアを通じたリアルな葛藤や体験を交えながら在宅医療の本質を熱弁した。

 在宅医療はあらかじめ計画されたスケジュールに沿って医療従事者らが定期的に訪問する訪問診療が基本で、外来とほぼ変わらない医療が自宅で受けられる。

 利用には介護保険制度との連携が不可欠で、まずは地域包括支援センターなどへの介護申請がスタートライン。ケアマネージャーを中心に訪問看護師やヘルパーなど多職種のチームが患者とその家族を支えていく。

 安西院長はメリットとして、通院に伴う患者の身体的負担の軽減だけでなく、付き添う家族のスケジュール調整や「迷惑をかけているのでは」という心理的負担、不安を解消できる点を挙げた。一方、費用面が外来より高くなる点をデメリットとしつつ、交通機関やタクシーでの移動費や労力と比べながら検討することを提案した。

 また、立ち上がる、歩く、着替えるといった基本動作に少しでも困難を感じたり、老老介護の負担が増えたりした場合は、本人が動けるうちであっても躊躇せず介護申請や区分変更を行うことが、最良のケアにつながることも強調。さらに本人が「どんな最期を迎えたいか」「何を大切にしたいか」を今のうちから家族や医療従事者らと話し合う「人生会議」の重要性も説いた。「そこに至るまでの悩みや価値観を共有する『会話のプロセス』そのものが最も大切」と語った。

 家族間で延命治療の是非や自宅での看取りへの移行を幾度も話し合った安西院長。「在宅医療は怖くない。寄り添ってくれるチームがある。将来を見据え、早い段階で準備と相談をしてほしい」と締めくくった。

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