秦野 人物風土記
公開日:2022.02.04
独立書人団第70回展記念賞を受賞した
米山 鬼峰さん(本名:米山哲夫)
堀西在住 74歳
自分の言葉で心底を書く
○…「創作活動には心の奥底に、鬼のような気持ちを秘めておく必要がある」と雅号を付けた意味を、鬼とは正反対の柔和な面持ちで語る。書く前に自ら役者になってこれから書く文章を読んでみる。リズムを考え言葉を紡ぎ、見た人に思いが伝わるように練り上げて、決心したように筆を取る。
○…記すのは有名な言葉からの引用ではない。信念としているのは「今を書く、自分の言葉で書く、心底を書く」。目に映る風景、感じたままの心象を綴るから「米山さんの作品にはしっかりと顔がある」とよく言われ、そのことは自らの誇りとなっている。受賞したのは10年に一度の記念賞。大きな賞を受賞してもどこまでも謙虚。「もうこれで満足という事はありません。一生続く鍛錬ですから」と笑顔を見せる。
○…書道を始めたのは小学校3年から。以来ずっと筆を握り続けてきた。大学時代に独立書人団に加わった。書家の小林抱牛巨匠に師事。「先生が他の人に”私の弟子”と紹介してくれたのは、師事してから8年後でしたけど」と振り返る。大学卒業後は小学校の教諭になり、教壇に立った。書家として活動していることは、積極的に周囲には話してこなかったのだとか。どんなに書で苦しもうとも、教育現場では全力で子どもたちと向き合い校長まで歴任、定年まで勤め上げ、「人生を二度生きた感じ」としみじみ話す。
○…子どもたちは既に独立し、夫婦水入らずの生活。創作活動の傍ら、書道教室を主宰し、大人から子どもまで指導している。教え子には自身の子どもや孫の姿も。「私のことを尊敬しているといわれたことがうれしい」と話すと、書家の顔から祖父の顔に一変し、満面の笑みが溢れた。
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