秦野 社会
公開日:2026.07.03
フードバンク秦野、開設から6年経った今 物価高で変わる利用世帯
南相馬子ども保養プロジェクト(PJ)が運営する「フードバンクはだの」が今月末に開設から丸6年を迎える。1日1食しか食べられない学生をきっかけに始まったその役割が、社会情勢と共に変化しつつある。
南相馬PJ発起人であり、東海大学前駅で不動産業を営む福嶋秀樹さんが始めた取り組み。管理物件に住む大学生がコロナ禍で食うに困っているのを見て、PJのネットワークを使い支援者から食材寄付を募った。
開始当初は利用者の6〜7割が学生。それ以外は一人親世帯が多く、中には見るからに経済状況が厳しいという人も少なからず見受けられた。
その後、状況が改善されフードバンクを離れる人はいるものの新規問い合わせは減らず、むしろ徐々に増加。今では止まらない物価高の影響か当初と比率は逆転し、一人親世帯や高齢者など、家族がいる世帯の利用者が目立つようになった。
利用者と需要に変化
「物価の安さで何とか生活が成り立っていた人たちが、物価高によって厳しくなっているのでは」と福嶋さんは話す。食料を受け取りに来る人たちは一見すると困窮しているようには見えず、最近までそれなりに余裕のある生活を送れていたと感じるためだ。
渡す食料にも変化が現れた。これまで保存が利くものや菓子類が主だったが、最近では主食の米の需要が増加。これまで安定して確保できていた米が、一時底を尽きかけた。また、保存が利かないため受け入れていなかった生野菜も、昨今の野菜の価格上昇からすぐに捌けるようになった。
「体調不良や親の介護で転職し収入が下がった人、会社の倒産で次の仕事までの食い扶持がない人、収入が上がらずローン返済のために隙間時間でバイトをしても追いつかない人など事情はさまざま」と福嶋さん。電気の使用が増える夏場に向けさらに生活が厳しくなる人が増えるのでは、と危機感を募らせる。
支援者は随時募集
今はまだ需要と供給が成立しているが、このまま物価上昇が続けば支援者にも余裕がなくなり物資が足りなくなる可能性もある。「続けられる限りは続けるが、個人の支援には限界がある。行政レベルでもっと抜本的な解決策はないのかと考えてしまう」と福嶋さん。「中間層がなくなり、二極化が進んでいるのではないか。働いているのに米も満足に買えないという日本の状況に危機感を感じる」と続ける。
フードバンクはだのでは、新たな支援者を随時募っている。問い合わせは福嶋さん【携帯電話】090・2470・8542へ。
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